ISTJとINTJは、どちらも論理的でクール、冷静沈着に見えるタイプです。
同じ「TJ型」でもあり、性格が似ていると感じる人も多いでしょう。
しかし、MBTIを深掘りしてみると、主機能や思考パターンには大きな違いがありました。
この記事では、ISTJとINTJの違いをわかりやすく紹介し、見分け方や関わり方の参考になるポイントを解説します。

ISTJとINTJの基本的性格を比較

ISTJとINTJはどちらも「内向・思考・判断」タイプで、外から見ると似た印象を与えます。
感情よりも論理を重視し、落ち着いていて責任感があります。
そして周囲に流されず、自分の考えで動く傾向が共通していますね。
またどちらも自律心が強く、目標達成に向けて着実に努力する性格です。
しかし、それぞれのMBTI的機能を見てみると、実は見ている世界や判断の仕方が大きく異なることが分かっています。
まずは、ISTJとINTJの共通点から見てみましょう。
論理的で感情に流されにくい
ISTJもINTJも「T(思考)」タイプです。
ものごとを判断する際、感情ではなく論理や客観的な基準を重視します。
自分や他人の感情よりも、合理的かどうか、筋が通っているかどうかに重きを置くため、冷静沈着に見えるでしょう。
そのため、感情を優先するタイプ(「F」がつくMBTI)からは「冷たい」と誤解されることも。
しかし実際には責任感が強く、信頼を大切にしている誠実な人たちなんです。
1人の時間が好き
ISTJもINTJも「I(内向)」タイプであり、1人の時間を好みます。
刺激の多い社交の場よりも、静かな環境や1人時間を優先し、ストレス発散なども1人で行うことが多いです。
人との交流が嫌いというわけではありませんが、誰かと一緒にいるよりも、内省したり集中したりする時間でエネルギーを充電するタイプなんですね。
責任感が強く自分に厳しい
ISTJとINTJはどちらも「J(判断)」タイプであり、計画性と責任感に優れています。
一度決めたことには最後まで取り組み、途中で投げ出すことはほとんどありません。
また、自分に対しても高い基準を設けるのも特徴。
自己管理がしっかりしており、努力を怠らない完璧主義な人物です。
ただしその分、他人にも同じ水準を求めてしまい、人間関係のトラブルにつながることがしばしばあるタイプでもあります。
\ ISTJもINTJも上位にランクイン /
ISTJとINTJの違いその1:主機能

ISTJとINTJの違い1つ目は、それぞれの「主機能」です。
主機能とは、それぞれのMBTIでもっとも活発に機能する特性のことで、主機能によって各MBTIの性格の方向性が定まるものです。
ISTJとINTJは、MBTIだけ見ると1文字しか違いませんが「主機能」が違うことで、まったくの別人であることがわかります。
ISTJの主機能:Si(内向的感覚)
ISTJの主機能はSi(内向的感覚)です。
Si(内向的感覚)とは…
過去の出来事や体験をもとに判断を下す機能。
安定や確実性を最優先し、冒険や挑戦はほとんどしません。
そのため記憶力がよく、細部まで正確に覚えていることが多くあります。
「去年この方法でうまくいったから、今年も同じようにやろう」といった判断が自然と出てくるタイプです。
ISTJは過去の経験や実績、事実に重きを置いてものごとを判断します。
信頼できる情報や手順に従うことで安心し、再現性を重視する現実的な性格です。
「前にうまくいった方法」にこだわる傾向があり、同様に伝統やルールも大切にします。
変化よりも安定を望み、現実的な解決策を求めるタイプです。
そのため、仕事場をまとめ管理する立場にはうってつけでしょう。

「管理者」と呼ばれるくらいですからね!
INTJの主機能:Ni(内向的直観)
INTJの主機能はNi(内向的直観)です。
Ni(内向的直観)とは…
表面的な事実よりもその背後にある意味やパターンを直感的に捉え、長期的な戦略を描く機能。
理論的な未来予測や、独自の見通しに従って行動します。
一般的な常識やルールに縛られず、目に見えない構造や本質を深く掘り下げます。
「今は誰も注目してないけど、5年後にはこれが主流になる」と思えば、周囲が理解できなくてもその道を進むタイプです。
現実で起こっていることや目に見える事実よりも、抽象的なアイデアやパターンを重視します。
「こうなるはず」「この先こうなるかも」という、直観的なビジョンに従って動きます。
事実よりも概念、過去よりも未来に焦点を当て、誰も思いつかないような可能性を描くのが得意です。
INTJは物静かで完璧主義なため、ルールや秩序にも忠実に従う真面目なタイプに見えますが、実は自分のやり方を優先したい人物でもあります。
ISTJとINTJの違いその2:行動の基準

ISTJとINTJは、行動の基準が違います。
ISTJとINTJのMBTI上の違いは【S】現実主義と【N】理想主義という点です。
言葉の通り、ISTJ(S:現実主義)は現実的な考え方をするため、行動もそれに伴い堅実な傾向が。
対してINTJ(N:理想主義)は理想を掲げがちなので、現実よりも自分の思うように行動する傾向があります。
\ NとSの違いについてはこちらを /
ISTJは堅実に一歩ずつ
ISTJは、一度決めた手順を着実にこなしていくタイプです。
計画的に物事を進め、現実的なゴールに向かって動きます。
ルールや手順を守ることに重きを置き、変更や柔軟な対応はあまり好みません。
そのため、組織の中で秩序を守る存在として信頼されます。

確かに、組織に1人はいてほしいタイプだね!
INTJは意外と大胆
INTJは、ISTJと対照的に既存のルールや常識にとらわれない大胆さを持っています。
最終目的に到達するためなら、今ある仕組みやルールを壊すことすら辞さない柔軟さを持ちます。
自分のビジョンの実現が最優先であり、非効率な制度や伝統には疑問を持つタイプ。
直感的に正しいと感じた未来に向かって、大胆な決断を下すこともあります。

こちらは革命家タイプだね!
ISTJとINTJの違いその3:感情の処理方法

ISTJもINTJも【I】内向型のため、感情表現が控えめです。
しかし、感情との向き合い方には大きな違いがありました。
ISTJは【S】現実主義のため、自分が感じ取った感情をそのまましまい込む傾向にあります。
INTJは【N】理想主義のため、感情さえも思考の材料にする傾向があるようです。
ISTJは感情をしまい込む
ISTJは、感情よりも事実や義務に重きを置くタイプなので、感情を表に出すことはあまりありません。
淡々と日常業務をこなすことで、心を落ち着かせようとします。
顔色や言葉に感情が出にくいため、自分の感情に無自覚なままストレスがたまっていることもあるでしょう。
ものごとを判断、決意するときに「感情」を使うことを非効率的だと感じるため、溜まりに溜まって爆発することもあります。
ISTJは、日記をつけたり信頼できる人に話すなどして、ストレスや不満を小出しにすることが大切ですね。
INTJは感情を分析する
INTJは、喜怒哀楽などの感情がこみ上げてきても、即座に反応することがありません。
ISTJと同じく表情や言葉に感情が表出しないため、外から見ると冷淡ですが、内面ではしっかり感情と向き合っています。
感情を感情として処理せず、理論的に処理しようとし「なぜ自分はそう感じたのだろう」と、答えを見つけようとするのが特徴です。

何事においても明確な答えがほしいタイプなので、自分の感情でさえも思考の材料にしちゃう
ISTJとINTJの違いその4:人間関係の築き方

ISTJとINTJは、同じ【I】内向型で【T】思考型ではあるものの、人間関係の築き方にも差がありました。
ISTJは周囲との信頼関係を重視し、堅実に、実直に行動するタイプ。
そのため、自然と周囲から信頼を得るでしょう。
一方のINTJは信頼や誠実というより、自分のビジョンや目的が最優先。
周囲から一目置かれる存在ではあるものの、真面目で誠実という印象とは少し違うようです。
ISTJは誠実にゆっくりと
ISTJにとってのテーマは「信頼」。
信頼できる人との関係を少しずつ、慎重に築いていきます。
感情を表に出すのは苦手で、雑談よりも実務的なやりとりや誠実性を見せて、距離を縮めるタイプです。
無理に打ち解けようとせず、まずは誰かの役に立つことや、しかるべき責任を果たすことで、信頼を得ようとします。
小さな信頼の積み重ねを重視するため、一度友達になると長い友情が続く傾向にあります。

地元の友達とはいまだに食事に行く仲です!
突然距離を縮めてくる人や、馴れ馴れしい人には警戒心を抱きがちで、一貫性のある行動をする人に好感を抱きます。
そのため、相手が【F】感情型だと、ISTJは冷たく見られがちでしょう。
INTJは目的重視
INTJにとってのテーマは「目的」。
誰と付き合うかより、何のために付き合うかに重点を置きます。
人間関係も、価値観やビジョンが共有できる相手でなければ興味を持ちません。
共通の知的関心や、未来のビジョンがある相手に強く惹かれる傾向があります。

相手が信頼できる人かどうか、というより、交流を深めてメリットがあるかどうかのほうが大切です
人間関係は狭く深く派ですが、そもそも人間関係そのものに深い関心がないため、時間やエネルギーをかける相手は厳選します。
INTJは自分から人間関係を切りやすいため、冷たい印象を持たれることもあります。
ISTJとINTJの見分け方

それでは、ISTJとINTJの見分け方を解説していきましょう。
似た者同士である2人ですが、実は明確な見分け方がありました。
それは、しっかり者だったらISTJであり、変わり者だったらINTJというものです。
一体どういうことなのか、どのような判断基準があるのか、くわしく見てみましょう。
「しっかり者」はISTJ!?
ISTJは、典型的なしっかり者です。
スケジュール帳はびっしり埋まっており、どのスケジュールも予定通り、時間通りにきっちりこなします。
信頼と誠実性がモットーで「ルールは守るためにある!」という考えです。
仕事でもプライベートでも、すべてにおいて「正しいやり方」があると信じていて、自分が決めたやり方を半永久的に続ける堅実さも持ち合わせています。
「変わり者」はINTJ!?
INTJは、自他ともに認める変わり者です。
時間やスケジュールは守りますが、基本的には自分が考える理論に基づくかどうかが判断基準となります。
真面目そうに見えるINTJですが、実は社会のルールや秩序に忠実なタイプではないのです。
考えや理屈が独特なため「天才か非常識か」の扱いをされることもしばしば。
「常識人」と言われたいISTJに対し、INTJは「非常識」と言われると褒め言葉のように受け取るかもしれません。
まとめ
ISTJとINTJはどちらも冷静で論理的な印象を持ちますが、実際にはさまざまな点で違いがありましたね。
ISTJは安定と実績を重視し、INTJは革新とビジョンを重視するタイプです。
自分や相手の性格を理解する手がかりとして、MBTIは非常に有効なツールです。
それぞれの違いを知ることで、誤解やすれ違いを防ぎ、よりよい関係性を築けるようになるでしょう。