MBTIは、性格の傾向を理解するための指標として広く使われています。
その中で、メンタルが弱いMBTIについて気になっている人もいることでしょう。
しかし、メンタルの弱さは単純な優劣ではなく、性格傾向からくるストレスの受けやすさや自己評価の揺らぎやすさなど、複数の要因が関わっています。
この記事では、MBTIとメンタルの弱さがどのように関係し、なぜ特定のタイプにメンタルの弱さがみられるのか、背景を丁寧に紐解いていきます。

メンタルが弱いのはI×Fの組み合わせ

MBTIでメンタルが弱いといわれているのは、I(内向型)とF(感情型)の組み合わせです。
I(内向型)は、外界から刺激を受けやすくはありますが、刺激を受けたあとに内面の葛藤に集中します。
外から受けた刺激を内にしまい込みやすく、内省的でストレスが発散されにくいという特性があります。
そして、F(感情型)という要素では、周囲の言葉や表情を深く読み取ってしまう傾向が。

しかしN/Sの項目では、どちらにもメンタルの強い部分と弱い部分があります。
N(直観型)は理想と現実のギャップから落ち込みやすいとされ、S(感覚型)は失敗するとタイムリーに影響を受ける特徴があるからです。
\ NとSはどう違う?/
弱いと評されるタイプであったとしても、それぞれ異なる理由が潜んでいるんですね。
それらを正確に理解することで、自身のメンタルケアにもつながるでしょう。
なぜI(内向型)はメンタルが弱い?
内向型(I)の人が「メンタルが弱い」と言われがちな理由の1つは、外界の刺激に対して敏感であり、情報処理を深く行う傾向があるためです。
外向型(E)が、外部刺激をエネルギーに変えるのに対し、内向型は刺激を受ければ受けるほど消耗しやすい傾向があります。
人混みにいるだけで疲れてしまったり、長時間人と一緒にいると、帰宅後に電池が切れてしまったりします。
この疲労が蓄積するとストレスになるため、メンタルが弱いといわれやすいのです。
内向型(I)は感情を内側に抱え込み、誰かに相談する前に自分の中だけで処理しようとします。
そのため、ささいな悩みでも大きく膨らみやすく、周囲からは「落ち込みやすい」「ガラスのメンタル」だと思われることも。
しかし、これはメンタルの弱さではなく、深く感じ取り丁寧に考えるゆえの特性なだけ。
適切な環境であれば、強みに変わる特徴なんですよ。
なぜF(感情型)はメンタルが弱い?
感情型(F)の人が「メンタルが弱い」と見られやすいのは、他者の気持ちや場の空気に敏感だからです。
他者に共感する能力も高く、感情移入したり相手のことを思って気持ちが揺れ動いたりしやすいでしょう。
ほかにも、感情型(F)には以下の特徴があります。
この繊細さがストレス要因となり、周囲からは「打たれ弱い」と見られることがあるのです。
しかし、感情型(F)は心優しく思いやりの深い性格であるだけで、安心できる環境や理解者がいることで気持ちが安定します。
つまり、これはメンタルの弱さではなく、繊細さゆえの反応であると言えるでしょう。
メンタルの弱さは性格の欠点ではない!
メンタルが弱いと感じられる性質は、決して欠点ではありません。
それぞれのタイプや個人が、生まれ持った気質のひとつに過ぎないのです。
繊細さは他人の変化に気づきやすい長所であり、優しさや共感力として発揮されます。
ストレスを感じやすい人は、自分の内面に向き合う力や、環境の変化に敏感に気づける柔軟性を持っていますね。
MBTIは、弱点を直すためのものではなく、自分の傾向を知りどう生かすかを理解するためのツールです。

メンタルの弱さを抱えるタイプであっても、性質に合った環境を選ぶことで、力を発揮できることを忘れないようにしよう!
タイプごとのストレス傾向を理解しよう
メンタルの弱さの背景には、タイプによって受けやすいストレスの種類が異なることが挙げられます。
たとえば、内向型(I)は過度なコミュニケーションや対人関係で疲れやすい傾向。
逆に外向型(E)は、停滞感や退屈さをストレスとして感じます。
感情型(F)は人の評価や言葉に敏感で、思考型(T)は論理的に矛盾することでストレスを受けやすいですよね。
このように、タイプによってストレスの原因が違うからこそ、それぞれに合った対処方法を選ぶ必要があります。
自分自身のタイプを理解することで、ストレスの予防や心の負担を軽減する方法が見つかるでしょう。
メンタルが弱いとされるMBTIタイプ

メンタルが弱いとされるタイプは、上記でご紹介したように、I×Nの組み合わせです。
ここでご紹介する、メンタルが弱いといわれるタイプは以下です。
これらのタイプが、なぜ「メンタル弱い」といわれるのか、性格的背景を解説していきます。
単に落ち込みやすいという話ではなく、深い共感力や繊細さゆえに、抱えやすい葛藤もありました。
INFP
INFPは理想主義で、心の世界を何よりも大切にします。
そのため、他人の言葉や環境の変化に敏感に反応したり、自分の価値観を否定されたと感じやすい傾向があります。
期待したようにものごとが進まないと、必要以上の失望を感じてしまったり、自分自身の理想に届かないことで自己嫌悪になったりするでしょう。
また、他者の気持ちを過度に読み取ってしまい、本来の意図とは違う方向に考えすぎてしまうことも。
このような繊細さが「メンタルが弱い」と評価されています。
とはいえ、この繊細さは創造力や優しさの源でもあります。
精神的にもろい反面、内面を深く理解する力に長けているため、適した環境であれば高い集中力と創造性を発揮するでしょう。
INFJ
INFJは、周囲の人の感情を強く感じ取れる、洞察力が高いタイプです。
「相手を助けたい」という気持ちが強く、他人の悩みを自分のことのように抱え込みやすい傾向があります。
そして、精神的な負担が蓄積しやすくなるのです。
また、自分の中にある理想や使命感に縛られやすいのも、INFJの特徴。
現実とのギャップを感じ、ストレスを感じることがあるでしょう。
INFJは他人のために動く反面、自分の気持ちを後回しにしがちです。
キャパを超えやすく、周囲からは「心が弱い」と見られてしまうことがあります。
ISFJ
ISFJは、他者の役に立つことを喜びとし、責任感が強いタイプです。
周囲の期待に応えようとし過ぎて、自分の気持ちを抑えることが多くあるでしょう。
精神的な負担が増えやすく、また自分で至らなかった点を反省しすぎる傾向も。
また、断ることが苦手なため、なんでも引き受けてしまったり「頼られているからもっと頑張らないと」と、自分を追い込みやすいのも特徴です。
他人を優先するあまり、自分の気持ちを後回しにしてしまい、気づけば疲れが限界を超えているかもしれません。
また、人間関係での葛藤にも敏感。
相手の些細な態度の変化にも「何かしてしまったかな?」と、不安を覚えることがあるでしょう。
穏やかで献身的だからこそ、負担を抱えすぎるとメンタルが揺れやすいタイプです。
ISFP
ISFPは、感覚的な刺激に敏感なタイプ。
たとえば否定的な言葉や、厳しい環境にさらされるとストレスを感じやすいでしょう。
自由を愛し、抑圧される状況に弱いため、自分のペースを保てない環境では疲れやすくなります。
争いを極端に嫌う性格のため、否定や衝突が起こると精神的な負担が大きくなりやすいのも特徴です。
内向型(I)のため、心を閉ざしてしまうことが多くあります。
悩みを人に明かさず抱え込みがちで、ストレスの出口が少ないことも、メンタルの不安定さにつながっています。
環境が平和であれば強みが輝く一方で、刺激が多い場所では、疲れが溜まりやすいタイプです。
メンタルが弱いタイプと強いタイプの違い

メンタルの強弱というのは、単純に「強いか弱いか」ではありません。
ストレスをどのようにして受け取り、どのようにして対処しようとするのかという、心理的構造の違いによって生まれます。
メンタルが弱いとされるタイプと強いとされるタイプの根本的な違いを、心理機能の観点から解説してみましょう。
感情型(F)が抱えやすいストレス
感情型(F)は対人関係におけるバランスを重視し、他者の気持ちに共鳴する傾向があります。
この共鳴力こそが感情型の強みなのですが、同時にストレス要因にもなります。
相手の態度ひとつで感情が揺さぶられることがあるため「否定された」「嫌われたかも」と感じると、必要以上に深く落ち込みやすいでしょう。
また、感情型(F)は自分よりも他者を優先しようとするため、自分の感情を後回しにして頑張りすぎる場面も多くあります。
これが心の負担となり、メンタルが不安定になることがあるでしょう。
思考型(T)のメンタルが強い理由
感情型(F)のメンタルが揺らぎやすい一方、思考型(T)は問題を感情ではなく論理で解決しようとするため、冷静に見えることがあります。
ストレスに直面しても、感情的に揺れる前に「どうすれば解決できるか」を優先して考えるのですね。
そのため、感情をむき出しにして泣いたり怒ったりするイメージがなく、精神的に強いように見えるでしょう。
しかし、思考型は感情を軽視してしまうことがあり、実際に芽生えている感情に気付かない、もしくは気づかないふりをすることがあるのです。
そうすると、蓄積したストレスに気づくのが遅れます。
強く見えるタイプでも、限界を迎えると突然キャパオーバーになることもあるのですね。
そのため、思考型だからといって一概に「メンタルが強い」とは言い切れないのも、トリッキーなところです。
内向型(I)が抱えやすいストレス
内向型(I)は、外部からの刺激が多すぎる環境や、人との関わりが続く状況で特にストレスを抱えやすい傾向があります。
本来、ものごとをじっくり内側で処理する性質を持つため、周囲からの情報量が多いと、心が追いつかないからです。
その結果、疲労がたまり、ストレスにつながりやすいのですね。
また、自分の感情や考えを整理するために1人時間が必要な点も、内向型(I)の特徴。
1人の時間が不足すると、気持ちが乱れたり集中力が低下したりしやすくなるでしょう。
さらに、人前での発言や即断即決を求められる場面にも、内向型(I)は負担を感じやすい傾向があります。
感情型(F)だと特に、対人関係でも気を遣い過ぎたり、深読みして不安が膨らんだりすることがあるでしょう。
外向型(E)よりも内側の処理にエネルギーを使うため、精神的な疲れを感じやすいのですね。
一方で内向型(I)は、静かな環境では高い集中力と深い洞察力を発揮できます。
そのため、過度な刺激を避け、自分のペースを守れる環境に身を置くことが、メンタルを崩さないために重要でしょう。
内向型と外向型のストレス対処の違い
内向型(I)は内面でストレスを処理することが多く、悩みを心の中にため込みやすい傾向があります。
一方の外向型(E)は、外界とのつながりからエネルギーを得るため、周囲の人との交流でストレスを軽減することが可能なんです。
どちらが良い悪いではなく、単純に処理方法の違いであり、自分に合ったケア方法を理解することが重要ですね。
メンタルが弱いタイプが心を守るために

メンタルが弱いと言われがちなタイプほど、自分に合ったセルフケア方法を知ることが重要です。
MBTIタイプ別の傾向を踏まえながら、どのタイプでも実践できる心のケア方法を解説します。
繊細なタイプは無理に「強くなろう」とするより、まず自分がどのようにストレスを感じやすいのか理解することが第一歩。
タイプごとに抱えやすいストレスは違いますが、自分の弱さを否定せず、適切な環境を選ぶことで負担は大きく軽減できるでしょう。
自分の限界を理解すること
繊細なタイプほど完璧主義の傾向が強く、限界を超えても頑張り続けてしまうことがあります。
まずは自分の限界を理解し、休むことは甘えではないと認識することが重要です。
たとえば、INFPやINFJのように自己犠牲が強いタイプは、休むことを肯定した瞬間から、心が安定しやすくなるでしょう。
意識的に休息時間を設け、心と体の負担が軽減されるほど、本来の創造性や優しさが発揮できるようになりますよ。

「あの人のほうが頑張ってるし…」と比べてしまいがちだけど、限界は人によって全然違うからね!
環境要因のストレスを減らすこと
繊細なタイプは、環境の影響を強く受ける傾向があります。
環境からくるストレスは、自分ではどうにもできないものばかりですよね。
そのため、生活や仕事環境を整えることが効果的でしょう。
騒音や人の多さ、コミュニケーションに疲れやすい内向型(I)は、落ち着いた環境を選ぶことでメンタルの安定が向上します。
また、人間関係に敏感な感情型(F)は、否定的な言葉が少なく温厚な人間関係を維持できる環境で、持ち前の能力を伸ばしやすくなります。
自分にとって負担の大きい環境要因を減らすことは、努力ではなく選択で解決できる部分ですね。
気持ちを整理する習慣を作ること
感情型(F)の人は、頭の中で考えすぎてしまい、気持ちを整理できずに苦しくなることがあります。
自分がどう感じているか、ものごとやストレスをどう受け止めたか、紙に書いたり、人に話すだけでも、気持ちが整理されるでしょう。
気持ちの整理ができれば心の負担が軽くなり、ストレスとうまく付き合っていけるかもしれません。
内面を大切にする内向型(I)ほど、言語化による感情整理が有効。
過度に落ち込んでしまうことを防ぎ、ストレスや落胆を消化し、前に進むことができるでしょう。
まとめ
MBTIにおけるメンタルの弱さは、その人の欠点ではありません。
それぞれの繊細さや共感力などの強みと、密接に関連する「性質」なのです。
大切なのは、自分に合ったストレスケア方法を見つけることです。
タイプに応じた心の扱い方を知ることで、自分の弱さを責める必要がなくなり、より生きやすくなるでしょう。















