あなたはまわりの些細な変化にすぐ気づいたり、人の感情に過剰に反応してしまうことはありませんか?
もしかすると、それは「HSP」という気質かもしれません。
HSPとは生まれつき感受性が強く、五感や感情の刺激に対して非常に敏感な人のこと。
実はMBTIタイプの中にも、このHSP気質を持つ人が多いタイプが存在します。
この記事では、HSPの特徴を持ちやすいMBTIタイプを紹介しつつ、それぞれの性格傾向や「ラクに生きるヒント」も合わせて解説します。
自分自身の理解を深め、敏感な気質と上手に付き合うための第一歩にしてみてください。

HSP(繊細さん)とは?

HSPは英語で【Highly Sensitive Person】と記し、刺激や感情に対して敏感な気質を持つ人を指します。
Highly Sensitive Person
高く・繊細な・人
音や光、匂い、人間関係の空気感など、さまざまな刺激に過剰に反応しやすいのが特徴です。
人口の約20%が該当するとされていますので、もしかすると「自分もそうかも…」という方がいるかもしれません。
参考:サワイ健康推進課
ちなみにHSPには「子どもバージョン」もあり、HSC(Highly Sensitive Child)といいます。
現在は思い当たることがなくても「昔HSCだったかも…」という人もいることでしょう。
さて、そんなHSPの傾向が強いMBTIをこの記事ではまとめてみます。
MBTIは16の性格タイプに分類される心理モデルで、HSPとは別軸の概念です。
しかし、実際にはMBTIの「内向的(I)・感情(F)・直感的(N)」がつくタイプに、多く見られる傾向があります。
HSPが多いMBTIタイプTOP5

HSPが多いとされるMBTIタイプTOP5を見てみましょう。
1位:INFJ(提唱者)
INFJは「この人、何を感じてるんだろう?」と自然に考えてしまうような、共感力の高い性格です。
他人の感情を敏感に察知し、影響を受けやすいため、感情のアップダウンに振り回されることもしばしば。
人間関係においては、相手の気持ちを優先しすぎて疲弊してしまう傾向もあり、まさにHSP気質の代表格といえるでしょう。
理想が高く、自分にも他人にも厳しくなりすぎる点も、繊細さに拍車をかけていますね。

INFJは「病みやすい」といわれることも…
2位:INFP(仲介者)
INFPは「自分の中にある理想」や「心の軸」を大切にするタイプで、外界からの刺激に対して敏感に反応します。
相手の何気ない一言が頭から離れずに一日中モヤモヤしてしまうことや、感情的な映画や音楽に入り込んで涙することも。
自分の感情を処理する時間が必要で、静かな環境を好みます。
人の痛みに共鳴しやすい一方で、それをうまく外に出せず、一人で抱え込んでしまう繊細さがあるでしょう。

感性が独特といわれるINFPは、孤独感を感じることもあります
3位:ISFJ(擁護者)
ISFJは「人を支えること」に幸せを感じる反面、自己犠牲的になりやすく、他人の感情や期待を敏感に受け取ってしまいます。
人間関係における小さな違和感も気にしすぎてしまい、疲れを感じる場面が多いでしょう。
また、周囲の空気を読みながら動くため、自分の感情を後回しにするクセがついてしまっている人も。
そのぶんストレスが蓄積しやすい、また爆発しやすい傾向にあります。
HSPの「人の影響を受けやすい」という性質に強く当てはまりますね。

人のために行動しようとして断れないのも、ISFJの悩みです
4位:ISFP(冒険家)
ISFPは外から見ると、自由でマイペースな印象を持たれがち。
しかし、内面は繊細で感受性豊かなタイプです。
音楽や自然、アートなど五感を通じた刺激に感動しやすく、逆に騒がしい場所や否定的な言葉にはストレスを感じやすい一面も。
自分の気持ちを表現するのが得意ではないため、繊細な感情を内に溜め込みやすいのも特徴ですね。
そのため、知らぬ間に心が疲れている…ということもあるでしょう。

性格は良いといわれるんだけど…その裏に努力と葛藤があります
5位:ENFP(広報運動家)
ENFPは明るくエネルギッシュな性格ですが、その反面、人の感情の動きや場の雰囲気に敏感な一面を持っています。
外向的に見えても、内面では些細な言動に傷ついたり、強い共感性ゆえに他人の悩みを引き受けすぎてしまうことも。
また、自分の理想と現実のギャップに落ち込みやすい点も、HSP気質と重なりますね。
実は「繊細な外向タイプ」の典型とも言える存在です。

ENFPは社交的で明るいんだけど、自分の世界に閉じこもる時間も案外必要だったりするんだ
HSP気質のあるMBTIタイプの共通点

HSP気質のあるMBTIの共通点は、以下の通りです。

I(内向型)といっても「刺激を受けやすいI型」ということなら、やっぱりI × Fがつくタイプが多いんだね!

そうね~。I × Tは外からの刺激を受けにくく、繊細とは無縁なタイプが多いからね~
それでは、HSP気質を持つMBTIの共通点を見てみましょう。
I(内向型)で外部からの刺激を受けやすい
HSPの多くは静かな環境を好み、ひとり時間でエネルギーを回復します。
これはMBTIの内向型タイプ(I)に強く見られる特徴です。
内向型は外部からの刺激を抑え、内省を通じて自分の感情と向き合う傾向があり、HSPの深く処理する性質と一致します。
該当タイプ:INFJ、INFP、ISFJ、ISFP など
F(感情型)で感情移入しやすい
F(感情型)は、理屈よりも人の気持ちや価値観を重視するタイプです。
相手の感情に敏感で共感力が高いぶん、他人の怒りや悲しみなどの「感情の揺れ」に反応しがち。
HSP特有である「感情の受け取りすぎ」を引き起こしやすくなります。
該当タイプ:INFJ、INFP、ISFP、ENFP など
内向的直観(Ni)や内向的感情(Fi)を主機能に持つ
HSPは、何を考えるにもものごとの裏側にある意味や意図を深読みする傾向があります。
これはMBTIの認知機能でいう「Ni(内向的直観)」や「Fi(内向的感情)」と親和性が高いです。
これらの機能を主に使うタイプは、自分や他者の感情の深層にアクセスしやすく、微妙なニュアンスに敏感になります。
- Ni主機能タイプ:INFJ、INTJ
- Fi主機能タイプ:INFP、ISFP
NiとかFiとかって何?
という方は、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
五感に敏感である
HSPは光、音、においなどの刺激に過敏に反応する傾向があります。
これはMBTIにS(感覚型)が含まれているタイプに多くみられますが、実はそれだけではありません。
MBTIには認知機能というものがあり、それぞれのタイプに「強く働く機能」や「鈍い機能」があります。
S(感覚型)の機能が強く働くMBTIはISFJやISTJで、身体や感覚で受ける情報に過敏になりがち。

ISTJはHSPと無縁なように思えるけど、実はその気質が隠れているんだね…!
ISTJは、Si(内向的感覚)を主機能に持っています。
五感で感じとる情報を正確に処理したい傾向があり、過去の経験や成功/失敗、そしてルールなどに敏感です。
そのためルールを破っている人や、礼儀や誠実性に欠ける人を許せなかったり、感覚的ストレスを受けやすいのだそうです。

いわゆる「細かいことを気にしすぎてストレスを感じる」ような状態ね

F(感情型)特有の「人に感情移入しすぎてストレスを感じる」とはまったく別のHSP気質なんですね
また、五感に関してはもう1つ、意外なMBTIにHSP気質がみられると考えられています。
それが、INTJです。

えっ私!?HSPとは一番無縁だと思ってたけど…

確かにINTJは外部の刺激を受けにくいし、他人を気にしないから「繊細さん」の気質を微塵も感じないよね!(失礼)
どんなところで、INTJがHSPになり得るのか見てみよう
INTJは、Se(外向的感覚)を劣等機能に持ちます。
劣等機能とは、そのMBTIタイプの中でもっとも弱く苦手な機能とされています。
よって、INTJは外向的感覚(五感で情報をキャッチする)が働きにくい性格タイプです。

五感が弱いなら、むしろ感覚的ストレスを感じにくい=HSP気質は弱い、という印象があるけど…
しかし、この劣等機能は「もっとも弱い機能」であると同時に「もっとも未発達でコントロールしづらい機能」でもあるのです。
そのため、INTJにとってSe(外向的感覚)は「機能しないもの」ではなく「出現したときにうまくコントロールできない機能」というわけです。
INTJが強いストレス下で、なんらかの感覚的負荷を感じたとき、処理が遅れて強烈なインパクトを残してしまうおそれがあるのだそう。
また、INTJはN(直観型)のため、少しの刺激でも「このストレスにはどんな意味があるのか」と深く考え答えを求めようとしてしまいます。
N(直観型)は考えが深いので、ストレスをスルーできずにずっと抱え込んでしまう傾向があるのも、INTJにHSP気質がみられる理由なのですね。

劣等機能にもHSPの可能性が秘められているなんて、奥深いね…!
他人の評価に敏感で自己否定しやすい
HSP気質のMBTIタイプは、自己理解が深いぶん自己否定も強くなりがちです。
相手のちょっとした表情やトーンの変化に敏感で「嫌われたかも」と思い込む傾向があり、これは共感力が高いことの裏返しでもあります。
このような特徴が重なると、外部からの刺激や感情の波に影響を受けやすくなります。
該当タイプ:INFP、INFJ、ISFJ など
HSP気質を持つMBTIタイプが楽に生きるために

HSP気質を持つMBTIタイプが「楽に、自分らしく」生きるためには、自分の敏感さを「短所」ではなく「特性」として理解することです。
特性の扱い方を学ぶことが何より重要ですから、以下のポイントに気をつけてみてください。
刺激の多い環境から離れる
HSPは五感や感情、空気感の変化に敏感なため、日常生活の中でも知らず知らずに疲労が蓄積します。
特に内向型(INFJ・INFP・ISFJなど)は、一人の時間の確保が心の安定に不可欠ですよね。
そのため、人混みや大音量の空間・明るすぎる照明などを定期的に避け、静かなカフェや自然の中で一人の時間を持つことを意識してみましょう。
ノイズキャンセリングイヤホンを使って、騒音から離れるのも良いですね。
自分の感情を否定しない
HSPの人は他人の気持ちにも共鳴しやすく、同時に自分の気持ちを後回しにしがち。
しかし、自分の感情や疲労に鈍感になると、心のバランスを崩しやすくなります。
今自分がどう感じているのか内省する時間を確保し、思考を言語化すると整理しやすいでしょう。
日記やジャーナリング、SNSへの投稿やブログの執筆などが、その手助けをしてくれるかもしれません。
「疲れた」「悲しい」「何もやりたくない」などの感情も、否定せず大切に受け止めてくださいね。
人と距離をとることに罪悪感を持たない
HSPタイプは人の気持ちを深く察する分、断ったり離れたりすることが苦手です。
しかし、本当に疲れているときは、丁寧にNOを伝えることが自分を守る方法でもありますよ。
「一人の時間がほしい」と素直に伝えたり、SNSやLINEの返信にも時間をかけたり…
自分のエネルギー残量を常に意識し、頑張りすぎないようにしてくださいね。
敏感さが活かせる環境に身を置く
HSPの繊細さは、芸術・福祉・教育・カウンセリング・クリエイティブ業界などで高く評価されます。
逆に、競争・騒音・大量のマルチタスクが求められる環境では、パフォーマンスを発揮しにくい傾向があるでしょう。
当ブログなどのMBTI情報源や、その他自己分析コンテンツを活用して、自分の適職を見つけるのも良いですね。
人生は長いですから、長期的な視点での解決法となるでしょう。
他者の感情や場の空気を感じ取りやすいぶん、チームワークよりも個人の裁量が尊重される仕事を選ぶと、楽になりやすいでしょう。
MBTIタイプに応じたセルフケアを取り入れる
MBTIタイプによって、HSPの表れ方も異なります。
たとえば、以下のようにタイプごとに違ったセルフケアを取り入れてみると、自分にぴったりの方法が見つかるかもしれません。
MBTIタイプ | 特徴 | おすすめのセルフケア |
---|---|---|
INFJ | 他者の感情に深く共感しすぎる。 心の境界線が薄く感情疲労を抱えやすい。 | 一人で静かに過ごす マインドフルネスや瞑想をする 自分の感情に耳を傾ける |
INFP | 感受性が強く理想と現実のギャップに傷つきやすい。 自己否定しがち。 | 日記や創作で感情を言語化する 自然の中で過ごし感情を落ち着かせる 自分に優しくする |
ISFJ | 人の期待に応えようと自己犠牲的に。 断ることが苦手。 | 「NO」と言う練習をする アロマや入浴など感覚的に癒やされる 自分の時間を最優先する |
ISFP | 繊細な感覚と感情を持つ。 環境や人の雰囲気に影響されやすい。 | 音楽やアートで癒やす 人混みを避け自然や静かな場所で過ごす 感情を否定せずに味わう |
ENFP | 刺激に敏感で感情の波が大きい。 元気に見えて内心は疲弊しやすい。 | デジタルデトックスで外部刺激を減らす 楽しいことより落ち着けることに時間を使う 感情を整理する習慣を持つ |
いかがでしょうか?
以下の記事でくわしく解説しているものもありますので、該当MBTIの人は参考にしてみてくださいね。


【番外編】HSPになりにくいMBTIは?

最後に番外編として、HSP気質から遠いとみられるMBTIタイプを見てみましょう。
HSP気質のないタイプは、いわゆる屈強メンタル。
対人関係にも強く、リスクや刺激にびくともしないエネルギーを持ったタイプです。
HSP気質を持つ人は、以下のMBTIタイプから心得を学ぶこともできるかもしれませんね!
ESTP(起業家)
ESTPは外向的かつ現実的で、今この瞬間の刺激や体験を楽しむタイプです。
感情に引きずられることが少なく、思考よりも行動を重視する傾向があり、実利やスピードを大切にします。
刺激を避けるどころかむしろ求める傾向があり、多くのHSPが疲れてしまうような環境でも、エネルギッシュに活動できるのが強みです。

試練もリスクもどんと来い♡全部楽しんでやる~!!
ENTJ(指揮官)
ENTJは、論理と目的達成に強くフォーカスする戦略家タイプ。
感情に流されるよりも、効率性と成果を重視する姿勢が際立っており、他人の感情に左右されません。
HSP的な「繊細な共感」よりも「断固とした決断力」を持つため、HSP気質とはかなり遠い特性といえるでしょう。

戦略に感情は必要ないからね
ESTJ(幹部)
ESTJは、現実志向で秩序を重んじる管理者タイプ。
理論的かつ効率的なものごとの進め方を好み、感情論や感覚的な違和感には左右されません。
他人の微細な感情変化よりも、明確なルールや成果を優先するため、HSPが持つ感受性とは真逆の傾向を持つことが多いです。

なんか薄情な奴みたいだけど…笑
確かに感情云々よりも秩序や正確性を大事にするから、一貫性はあるかも
まとめ:HSPとMBTIは同一ではない
HSP気質は、MBTIタイプに影響を与えることがあります。
しかし、必ずしも特定のタイプだけがHSPになるわけではありません。
INFJやINFPなど、特に内向・感情・直感タイプの人に多く見られる傾向がありますが、大切なのは自分の特性を理解し、疲れすぎない工夫をすることでしょう。