几帳面で責任感が強く、組織の中で信頼されやすいISTJ。
安定した働きぶりが評価される一方で、その真面目さゆえに、人知れずストレスを抱えることもあります。
特に責任感の強いISTJは、仕事でのストレスを感じやすい傾向があるようです。
この記事では、ISTJが職場で感じやすいストレス要因と、その対処法について解説していきます。

ISTJが仕事で感じやすいストレス要因

ISTJは常に計画を立てて、着実に進めることを得意とするタイプです。
そのため、予測不能な出来事やあいまいな状況に巻き込まれると、ストレスを感じやすい傾向があります。
真面目さと責任感から、仕事でのタスクを抱え込みすぎたり、非効率なやり方にいら立ちを覚えたりすることもあるでしょう。
ここでは、具体的にどのようなストレス要因があるのかを見ていきましょう。
突発的な変更やあいまいな指示
ISTJは、秩序や計画を重視する人物です。
そのため、突然予定が変更されることや、上からあいまいな指示をされることにストレスを感じます。
ISTJはS(感覚型)なので、何をするにもしっかりとした手順を踏むことに安心感を覚えます。
そのため「よしなに対応しておいて」「いい感じに作っておいて」という、明確な方向性が見えない状況に混乱してしまいます。
常に責任を果たしたいという気持ちが強いため、不確実さへの不安が衝突し、精神的に消耗しやすくなるのです。
責任を抱え込みすぎる
ISTJは、自分で自由に動くよりも「任されたことは必ずやり遂げる」という信念を持ちやすいタイプです。
使命感が強いので、他人に頼らずに一人で背負い込んでしまう傾向があります。
その真面目さが評価される反面、タスクを自分だけで抱え込むことで、過労や燃え尽きにつながることもあるでしょう。
ISTJはI(内向型)ということもあり、周囲に積極的にはたらきかけたり助けを求めたりするのも苦手。
「頼ると迷惑をかけてしまう」と感じ、相談できないこともストレスの一因になっています。
非効率なやり方
ISTJは、秩序立ったシステムや効率の良さを好みます。
そのため、場当たり的な方針や不公平なルールには強いストレスを覚えるでしょう。
たとえば、明確な基準がないまま評価や人事が決まると「努力が報われない」と感じ、モチベーションも低下してしまうでしょう。
誰よりも誠実に業務を行っている自覚があるからこそ、合理的に進めたい気持ちと、それが叶わない現実のギャップが大きく、不満が蓄積していくのです。

ISTJと相性が良いのは、評価システムやルールが徹底されている企業や、公的機関などが間違いないだろうね!
ISTJがストレスを軽減する方法

ストレスを抱え込みやすいISTJですが、工夫次第で大きく改善することができます。
ポイントは、完璧を目指しすぎないようにすることや、信頼できる人を見つけて相談することなどです。
このように小さな意識の変化が、日々のストレスを軽くするでしょう。
そして、持ち前の誠実さを発揮しやすい環境を作ります。
すべてを背負わない
ISTJは責任感が強すぎるあまり、自分1人ですべてを抱え込んでしまう傾向があります。
しかし、企業に勤めているのであれば、すべてを自分で処理することは不可能です。
無理をすることで、長期的には健康や成果にも悪影響を及ぼしかねません。
周囲に助けを求めたり、ときには「できません」と言うことは、弱さではなく賢さです。

信頼できる人に分担を依頼してみたり、依頼された仕事を断るときには「明日ではなく1週間後ならできる」と代替案を出してみたり、自分の負担を軽くする工夫をしましょう。
そうすることで、より集中して成果を出せる環境を作れるでしょう。

確かに、真面目すぎるがゆえに断るのが苦手になっているかも…

実はそれ、ISFJも同じなんです。
ISFJ向けの「NOの言い方」も参考にしてみてください
柔軟性を持つ
ISTJにとって、急に業務が変更されたりスケジュールが変わったりすることは、ストレスのもとになりやすいものです。
常に計画性を持ち、安定した仕事を続けることで安心するタイプなので、突発的な出来事を好みません。
しかし、すべてを計画通りに進める必要はなく、むしろ不可能であると理解することも、ストレスを減らす方法でしょう。

たとえば、予測不能の出来事というのは「予測していないから、予測不能」になるわけですよね。
ということは「予測不能な出来事が起こるかもしれない、と予測しておく」ことで、それは「予測不能の出来事」ではなくなります。

なるほど、予測不能を予測しておけば、それは想定の範囲内ということになるのね
このように、すこし考え方をずらすだけで、心の負担が軽くなるかもしれません。
「変更は必ず起きるもんだ」と前提にするだけで動揺しにくくなり、ストレスに耐性を持てるでしょう。
信頼できる人に相談する
ISTJは、人に迷惑をかけることを避けがち。
悩みを1人で抱え込みやすいタイプでしょう。
しかし、そのままではストレスが内側に蓄積し、心身に影響を及ぼすかもしれません。
信頼できる同僚や上司、あるいは友人に話すだけでも、気持ちが整理されやすくなるでしょう。

その際、共感やアドバイスを得ることで新しい視点が得られるかもしれませんし、より健全な形で仕事に向き合えるようになるかもしれませんね。
ISTJはI(内向型)なので、つい内省的になりがちですが、意外と周囲の意見を聞いてみると「そういう考え方もあるのか」と学びにつながったりするものですよ。
ISTJが陥りやすい失敗と回避法

ここからは、ISTJが仕事で陥りやすい失敗のパターンと、それぞれに応じた回避方法をご紹介します。
責任感が強く実直なISTJは、仕事において規則的な行動をするのが特徴的です。
基本的に自由に動き回るクリエイティブなタイプではなく、決められた枠組みの中で確実に仕事を遂行する人物。
そのため、失敗パターンも推測しやすいのです。
具体的にどのようなケースで失敗することが多いのか、回避方法とともに見てみましょう。
完璧主義による疲弊
ISTJは、真面目で誰よりも責任感が強いタイプです。
そのため、一度任された仕事を完璧にやり遂げようとするでしょう。
しかし、細部まで気を配りすぎると必要以上に時間がかかり、ストレスが溜まりやすくなるデメリットも。
完璧を求めすぎず「ここまでで十分」と線引きすることが、長期的にパフォーマンスを維持するコツですよ。

まずは6~7割の出来で提出して、あとから修正をするというやり方でも通用する業務もありますしね
柔軟性の欠如による衝突
ルールや慣習を重んじるISTJは、規則に反する行動や柔軟な対応を苦手とします。
そのため、時代に応じた変化を好む同僚や上司と、摩擦が生じやすい傾向があるでしょう。
状況に応じて、例外も受け入れる姿勢を持つことを意識しましょう。
人間関係のストレスを軽減でき、ISTJ自身も心を軽く保てるかもしれませんよ。
抱え込みすぎる責任感
ISTJは、常に「自分がやらなければ」「誰もやりたがらないなら自分しかいない」という意識が強くあります。
そのため、人気のない仕事を任されたり、抱え込みすぎたりすることがあります。
結果としてオーバーワークになり、燃え尽き症候群のリスクが高まってしまうでしょう。
必要に応じて仕事を断ったり、中間地点を見つけて妥協案を出してみたりして、自分の心身を守る行動を心がけてみてください。
ISTJはすべて自分でこなすことが責任だと感じやすいですが、実は助けを求めるのも、責任の一部ですよ。
ISTJに向いている仕事スタイル

ISTJに向いている仕事のやり方をご紹介します。
ISTJの人で、今の職場環境に疑問を抱いている人や転職を考えている人は、以下の条件に当てはまっていないかチェックしてみてください。
明確な指示と管理がされている職場
ISTJは、明確な指示やタスク管理が徹底されている職場と相性が良いでしょう。
上からの指示があいまいで、作業者にすべて投げられてしまったり、作業者のさじ加減で決まったりするような「自由度の高い職場」は向かないかもしれません。
指示や業務管理が徹底されているということは、会社やチーム、また個人がやるべきゴールが明確であるということです。

つまり、規則に従って実直に業務を進めていれば、公平な評価にもつながるでしょう。
このような職場環境であれば、ISTJのストレスを減らし、効率的に成果を出すことができるでしょう。
長期的なプロジェクトに取り組める職場
ISTJは、ルーティンワークでもコツコツ続けられる継続力を持ち合わせています。
短期的な成果を上げるよりも、時間をかけて積み上げていく業務を好むのです。
そのため、長期的なプロジェクトや不変的な業務に関われる職場であれば、ISTJ特有の粘り強さを活かせるでしょう。

これにより、達成感と安定感、そして仕事に対するやりがいを感じやすくなります。
全員が全員、ISTJのように不変的・安定的な業務をコツコツ続けられるわけではありません。
中には短期プロジェクトを数こなすほうが、イキイキと働ける人もいます。
ISTJに向いている職種やポジションがあれば、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
1人で作業に集中できる職場
ISTJは、人との交流は苦手ではないものの、常に周囲に人がいる状況だとストレスを感じやすい傾向があります。
職場環境は、できれば1人で集中できる時間や空間が確保されている条件をおすすめします。
心の安定を保ちつつ、高いパフォーマンスを発揮できるでしょう。
仕事自体を個人で行う、工場勤務や事務職なども良いですね。
しかし、チームプロジェクトであっても、コワーキングスペースや多目的室を借りて作業ができれば、ISTJにとって心地よい業務環境を作れるでしょう。
ISTJがやりがいを感じやすい職場環境

ここからは、ISTJがやりがいを感じやすい職場環境について見てみましょう。
ISTJは、典型的な社会人タイプであり、また勤勉で実直な日本の社会に適応したタイプといえます。
特に、現代的で自由な風潮のあるベンチャー企業などよりも、伝統と規則を重んじる企業に向いているでしょう。
具体的にどのような職場で、ISTJがやりがいを感じやすいのか見てみましょう。
公平な評価制度
努力が正しく評価されることは、ISTJにとって大きなやりがいにつながります。
不公平な評価があったり、ISTJの成果があいまいに扱われると、ストレスの原因になるでしょう。
透明性のある評価制度の職場は、ISTJにとって理想的です。
安定した組織文化
ISTJは、変化が激しい自由な環境よりも、安定した組織文化の中でルールを守りながら働ける場が向いています。
仕事は毎日するものなので、そのような環境で安心感を得ながら働くことで、長期的なストレスを軽減することにもつながるでしょう。
長くその職場で働くことや、モチベーションを維持する助けとなります。
チームの信頼関係
ISTJは基本的に1人を好みますが、人間関係に誠実で、信頼関係を大切にします。
協力し合えるチームに所属していると、真面目なISTJでも安心感を持って力を発揮できるでしょう。
逆に信頼を欠いた環境では、精神的な疲れを感じやすくなります。
誠実な性格なので、一緒に働く人によっては搾取の対象になりやすかったり、コミュニケーションに弊害が出たりするかもしれません。
まとめ
ISTJは真面目で責任感が強い分、突発的な変化やタスクの抱え込み、非効率な環境で大きなストレスを抱えやすい性格です。
ただし、完璧を求めすぎず柔軟性を意識したり、信頼できる人に相談したりすることで、ストレスは軽減できるでしょう。
自分の傾向を理解し、無理のない働き方を模索することが、ISTJにとって長期的に健やかに働くためのカギとなりますよ。














