几帳面で誠実なISTJは、周囲から「信頼できる人」として頼られるタイプです。
しかしその一方で、気づかぬうちに気疲れしてしまう傾向も。
真面目さゆえに、人や社会の期待に応えようと頑張りすぎたり、場の空気を読みすぎたりすることで、心のエネルギーを消耗しやすいのです。
本記事では、ISTJが気疲れしやすい理由や典型的な場面、そして疲れを軽減するためのポイントをご紹介します。

ISTJはなぜ気疲れしやすい?

ISTJは真面目で責任感が強く、どんな場面でも「自分がしっかりしなければ」という意識を持ちやすいタイプです。
そのため、人との関わりの中で自然体でいることが難しく、気づかぬうちに気疲れしてしまいます。
特にビジネスシーンでは「周囲の期待に応えたい」「迷惑をかけたくない」と考えすぎる傾向があり、他人の反応を気にしてしまうこともあるでしょう。
真面目さは大きな長所ですが、それが裏目に出ると、心のエネルギーを消耗しやすくなるのです。
それでは、なぜISTJが気疲れしやすいのか、具体例を見てみましょう。
完璧主義で責任感が高すぎる
ISTJは約束と成果を重んじ、やると決めたら最後までやる人物。
細かな部分の基準も満たそうとして、ついつい自分に厳しくなり、さらには他人の分まで背負いがち。
小さなミスでも反省してしまうため、心理的な負荷が蓄積しやすいのが特徴です。
あいまいな状況や変化を嫌う
ISTJは、計画が見える化されると力を発揮しますが、目的や役割が曖昧だと不安が増大してしまうタイプです。
判断に必要な情報が欠けるほど、思考が回転し続けるため、やがて疲労感につながるでしょう。
決まったやり方がなく、自分で考えなければいけなかったり、直前で変更がありバタバタし始めたりすると、心のバッファーを消耗しやすいのですね。
節度正しく我慢しやすい
ISTJは、場の秩序を優先して感情を抑えるタイプです。
そのため表面上は平静でも、内側にストレスが溜まりやすい傾向にあるでしょう。
反論や要望を控えめにするほど、消化できていない気持ちが溜まってしまい、帰宅後どっと疲れる…
というパターンが起きやすくなります。
他者基準の「正しさ」への配慮
ISTJは、他人に迷惑をかけたり規律を破ったりすることを嫌います。
規範に従い正確な結果を出すのが強みですが、周囲の期待を過剰に推測し、それを叶えようと頑張りすぎてしまうこともあるようです。
ISTJは自分の秩序正しさや正確性に自信を持っている一方、社会や組織では
という向上心があります。
そのためには、自分の基準より外部や上の基準を優先することがあるかもしれません。
それが行き過ぎると負担が増え、満足感より疲労感が残ってしまうのですね。
ISTJが気疲れしやすいのはどんなとき?

ISTJは特に、初対面の人との会話や不確定・不安定な状況、そして人に合わせなければならない場所で、気疲れを感じやすいようです。
落ち着ける場所や安定した環境を好むISTJは、自由な場所や自分で考えて行動する場面が苦手。
頭を使い過ぎたり、気を遣い過ぎたりして、気づけば自分のキャパを超えていることがあるでしょう。
ISTJの几帳面さが、気疲れの温床となるのですね。
では、どのような場面で気疲れしやすいのか、具体例を見てみましょう。
初対面や雑談中心の集まり
たとえば、飲み会やグループワークなど「自由に振る舞ってよい場面」では、流れや決まりが分からず、どうしたらいいかわからなくなりませんか?
頭を使いすぎ、帰宅後どっと疲れることがあるでしょう。
目的や議題があいまいな場所は、ISTJの苦手分野。
何を話せば良いか分からず気を遣い続け、エネルギーを消費しやすいでしょう。
役割やテーマが決まっている会議のほうが、ISTJはパフォーマンスを出しやすいタイプです。
役割分担があいまいな仕事
仕事では、責任の所在が不明確な場所で、ISTJが気疲れしやすくなるでしょう。
「気づいた人がやる」「担当が決まっていない」という環境、よくありますよね。
そんなとき、気づけば「誰もやらないなら自分が…」と、抱え込んでしまうのがISTJ。
ISTJに任せれば正確ですぐ終わるため、周囲もついつい頼りがちでしょう。
そんな周囲の期待に応えるべく、頑張りすぎてしまうことで、気疲れしやすいのですね。
突発的な対応
ISTJは、基本的にテキパキと仕事をこなすタイプ。
しかし、急に変更があったり突発的な対応があったりすると、臨機応変に動けないことがあります。
準備時間が足りない状況下では、ISTJの強みである計画性を発揮しづらいのですね。
判断のやり直しと優先順位の入れ替えが続くと、集中力より消耗が勝ってしまうでしょう。
計画的なISTJにとって、終わりが見えない緊急対応は大敵です。

どんなときも段取りや終わり時間を計算して取り掛かるので、突発的な対応は先が見えなくて落ち着かない…!
ノリ重視の人と一緒に働くこと
ISTJは「ノリ」とは縁遠い性格タイプ。
たとえば、職場に「ルールよりノリ」な文化があったり、締切を軽視する人がいたりすると、ストレス源となるでしょう。
ISTJは納期や締切を守ることを徹底します。
その基準を共有できないと、結局責任感の強いISTJの仕事が増えたり、規則に反する人に指摘したりと、負担が膨らんでしまいます。
価値観の合わない人と一緒に仕事をしなければいけない状況は、ISTJにとって気疲れする要因となるでしょう。

プライベートなら関わらなければいい話だけど、仕事だと毎日会うし、憂鬱になりそう…
ISTJが気疲れを軽減する方法

ISTJの気疲れを防ぐために、できることはあるのでしょうか?
ISTJは、まず自分のキャパを把握し、できないことは正直に伝える練習をしましょう。
1人で過ごす時間には、リフレッシュタイムを意識的に確保することも大切。
きちんとリセットして、翌日また心身が元気になれるような考え方を身につけましょう!
「7割主義」を持つ
ISTJは完璧主義で、なんでも100%のクオリティーを追い求めがち。
常に満点を狙わず「ここまでで良し」の基準を事前に決めておくと、過剰に粘ってしまうことを防げるでしょう。
たとえば、業務範囲や時間外の対応ルールを明確化し、本当にやるべきことに優先順位をつけてみてください。
もしそれをオーバーするようなら、無理に行わず休息を優先するのも良いでしょう。
成果物に関しても、常に完璧なものを提出しようとせず、
まずは70%くらいの出来で提出する
という意識をしてみても良いかもしれません。

確かに7割主義の考えがないと「まだやれる」「もっと改善できる」と思って、延々と作業しがち。
結果、自分だけ残業しすぎたり同じ資料をずっとブラッシュアップしたりして、生産性が上がらないことも…
7割主義の考え方を、ぜひ取り入れてみてくださいね!
自他境界を明確にする
ISTJの中には、自他境界があいまいで「人から頼まれた仕事まで完璧にやろうとする」人がいるかもしれません。
確かにISTJは頼られやすく、仕事をさせれば正確で誠実。
そのため、人間関係や社会で信頼されやすい人物であり、自分でもそのような人間性を目指しているのではないでしょうか。
しかし、社会の役に立ったり自分の実力を見せたりするために、自分にムチを打ち過ぎてしまっては本末転倒。
他者からの頼まれごとは、自分が抱えている仕事との優先度を確認してから引き受けるようにしてくださいね。

パターンBを用意する
ISTJは自分のやり方や、マニュアル通りの方法に固執する傾向があります。
そのため、それ以外のパターンにはめっぽう弱く、急な変更やリスケがあると負担が大きくなりがち。
最初から「パターンB」を用意しておく癖をつけると、突発的な変更やハプニングがあったときの負担が軽減されるでしょう。

ハプニングが起きたときに「どうすればいいの~!」ってなるより「じゃあこっちでいこう」と選択肢があるほうが、その後も冷静でいられるね!

でも、ISTJはパターンB以降を用意することに慣れていないから、どれくらい完璧に作っておいたら良いのかわからないな…
ISTJがパターンBを作るには、以下のポイントを意識しましょう。
- まずはざっくり案だけ用意する
- 「起こりやすいトラブル」だけ細かくメモしておく
- 自分で慌てそうな部分だけ詳細プランを用意しておく
「これがダメだった場合はこうする」という案だけ用意しておくのは、難易度が低いやり方です。
しかし、実際にそのパターンBを活用するときが来たとき、細かな内容がわからず結局慌ててしまうことも考えられます。
そのため、起こりやすいトラブルや自分で混乱しそうな部分だけは、詳細を用意しておくと安心でしょう。

ISTJの大好物である「安心材料」を増やす方法ね
ISTJは慣れれば要領よくできるタイプなので、パターンBを作る習慣さえできれば、そのうち自分でやりやすい作り方を習得するでしょう。
モヤモヤを言語化・数値化する
ISTJはJ(判断型)で完璧主義ゆえ、モヤモヤを感じることが多いかもしれません。
しかし、T(思考型)のために感情表現を苦手としており、苛立ちやモヤモヤを感じてもついつい放置しがち。
ストレス解消ができれば良いですが、仕事に一生懸命だったり、ストレスが溜まってもなお頑張ろうとしてしまったりしませんか?
そんなときは、感情を言語化もしくは数値化してみましょう。
たとえば「苛立ち:3/5」「不安:2/5」など感情をメモする方法です。
こうすることでモヤモヤが完全に晴れるわけではありませんが、消化できない気持ちが溜まっていくのを防げるかもしれません。
また、15分程度の散歩や仮眠をしたり、温かい飲みものを飲んだり、短時間で回復する習慣を持っておくと、持久力アップにつながるでしょう。

断ったり頼ったりする
ISTJは完璧を求めすぎ、他者からの依頼にも120%の品質で応えようとしてしまいがち。
しかし、いくらISTJが頼もしくても、シゴデキでも、頼みごとを引き受けるのが難しいこともありますよね。
そんなとき「今すぐは難しいけど、明日10時なら可能です」というように、代替案つきで断る練習をしてみましょう。
もし無理をして引き受ける場合にも「この範囲まで」「この時間までなら」と条件を明示してみてください。
仕事全体の品質を上げるためには、すべてにおいてキャパオーバーな状況を作らないことです。
ISTJが参考にしたい!気疲れしにくいMBTI

それでは、ISTJが参考にできる「気疲れしにくい」MBTIを見てみましょう。
ESFP:気楽に楽しむ楽天家
ESFPは「今を楽しまなきゃ損!」というマインドを持っており、将来の不安やルールに縛られにくいタイプ。
多少のミスや予定変更にも「まあいっか!」と切り替える柔軟さを持っています。
このように「完璧じゃなくても楽しめる」という視点を取り入れると、気持ちを軽くしやすいかもしれません。
ENTP:柔軟なアドリブ達人
ENTPは物事を深刻にとらえすぎず、困難やハプニングを「チャンス」や「ネタ」として楽しむ姿勢を持っています。
予定通りにいかなくても、むしろ面白がれるのが強みでしょう。
このように「柔軟に視点を変える」スキルを学ぶことで、想定外の状況でも消耗を防げそうですね!
ISFP:自然体なマイペース
ISFPは、どんなときも自分のペースを大切にします。
他人に合わせすぎず、無理をしないところが長所であり、魅力でもありますね。
人間関係においては、調和を大切にしつつも気を遣いすぎず、心地よい距離感を保つのが得意です。
このように「自分の快適さを優先する」意識を取り入れることで、対人ストレスを減らせるでしょう。
まとめ
ISTJは真面目で責任感が強いため、人付き合いや集団の場で気疲れしやすい傾向があります。
しかし、それは「相手を大切にしたい」「誠実でありたい」という思いの表れでもありますよね。
大切なのは完璧を目指しすぎないこと、そして自分を優先する勇気を持つこと。
今よりもう少しだけ自分のペースを大切にできれば、気疲れを減らしつつ、より健やかな人間関係を築けるでしょう。