一見クールで理性的に見えるINTP。
ものごとを論理でとらえるタイプとして知られていますが、実はその内側には、繊細さや深い感受性が隠れていることがあります。
ふとしたことで落ち込み、静かに自己嫌悪に陥ってしまう。
それを誰にも言えず、1人で抱え込んでしまう。
そんな経験をしたことのあるINTPの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、INTPがどんなときに落ち込みやすいのか、そのサインにはどんなものがあるのか、そして自分らしく回復するためのヒントを解説します。
INTP本人にも、身近にINTPのいる方にも、ぜひ読んでいただきたいです。

INTPが落ち込むのはどんな時?

論理派・INTPが落ち込むのは、どのようなときなのでしょうか。
INTPは「Ti(内向的思考)」を主機能に持ち、ものごとを論理的・合理的に理解しようとする性格タイプです。
そのため、感情的になったり落ち込んだりする印象は薄いかもしれません。
実はみなさんが想像する通り、INTPにとって「感情」は劣等機能にあたります。
つまり、多くの人が推測するようにINTPは感情を管理するのが苦手なんです。
だからこそ、感情の扱いに不慣れで困ることがあり、落ち込む原因になることがあります。
INTPが落ち込むのはどのような時なのか、具体的に見てみましょう。
心が疲れてしまったとき
INTPは、感情よりも論理や分析を優先して行動するタイプです。
そのため、一見クールで落ち込むようには見えないかもしれません。
しかし内面では深く感情を抱えていることが多く、思考で整理しようとするあまり、感情が置き去りになることがあります。
INTPは感情の扱いが苦手ですが、もちろん感情がまったくないわけではありません。
つまり「感情を扱うのが苦手」→「感情に振り回されるとメンタルを崩しやすい」のですね。
そのため、気づかないうちに心が疲弊し、それが一気に押し寄せてくる…
そんな「静かな落ち込み方」が、INTPにはよくあります。

感情をどう処理していいかわからず、無理くり論理的に片付けようとしてしまいます。
それでもやっぱり、人間の感情ってシステムじゃないから、簡単に解決するわけじゃない。
その結果、心にぽっかり穴が空いたような気持ちになることがあります

INTPのように【T】思考型のタイプは、感情的にならないのが強みだと思っていたけど、むしろ感情の扱いが苦手で注意すべき点でもあるんだね
理想と現実のギャップを感じるとき
INTPは、自分なりの理想や正しさを大切にしています。
「こうあるべき」「こうできたはず」という明確なイメージを持っているからこそ、それが実現できなかったり、現実が追いついていないときに強く落胆するタイプです。
自分に対しても他人に対しても期待値が高く、そのギャップがストレスや自己否定の引き金になることがあるのですね。

INTPは【N】理想主義なので「こうありたい」というビジョンが常に頭の中にあります。
その通りにならないとやる気をなくしたり、どうでもよくなっちゃったりする(笑)

理想と現実のギャップに苦しむのはINFPにもよくあることなので、お気持ちとてもよくわかります…
他人に理解されないとき
INTPは深く考えるぶん、自分が他人に理解されにくいと感じることも多いタイプです。
「自分だけ違う」「何を言っても伝わらない」と思い始めると孤立感が強くなり、浮いているような感覚に襲われることも。
その結果落ち込んでしまい、また「自分って変なのかな…」と思い詰めてしまうこともあるのです。
INTPが「他人に理解されにくい」と感じるとき、心では少なからずショックを受けます。
しかし、INTPは【I】内向型であり【T】思考型でもあるので、その悲しみを表現する方法をあまり持っていません。
感情を大きな声で爆発させるのも苦手ですし、誰かに泣きながら訴えるのも苦手。
そして、落ち込むしか方法がなくなってしまうのですね。
自分の論理が否定されたとき
INTPは、ものごとを深く考え抜いたうえで自分の意見や論理を組み立てる、典型的な「思考型」タイプです。
その分、それを否定されたときのショックは大きく「自分の思考を全否定された」と感じてしまうことがあります。
冷静に見えても、内心では強い挫折感や羞恥心を抱えていることが多いのも、INTPの特徴なのですね。

思考型なので、自分の論理には常に自信を持っています。
それを否定されるとショックだし、かといって【E】外向型タイプのように言い返せるような性格でもないし…
ただただ落ち込んで、殻に閉じこもってしまいます
自分に嫌悪感を感じるとき
INTPは、自分の内面に厳しい評価基準を持っています。
そのため、自分が考えていることと実際の行動にギャップがあると、激しい自己嫌悪に陥る傾向があります。
INTPは【P】知覚型なので、基本的にはいろいろなことにおおらかなスタンスを持っています。

【P】知覚型は細かいことを気にしないマイペースなタイプだよ
そのため、一見INTPは「自分に厳しい」タイプには思えないかもしれません。
しかし、INTPは【P】知覚型であるのと同時に【T】思考型であり、さらに主機能として「Ti(内向的思考)」を持っているので、なにごとにおいても整合性を意識します。

そうなの。だから自分の成績や仕事ぶりに関しても「論理的に正しいか」「理屈が通っているか」をすごく細かく気にしちゃうんだよね
INTP自身が頭の中でしっかり考えたことを、実際に行動に移せていないとき「自分はダメだ…」と思ってしまうことがあるのですね。
【P】知覚型だからといって、考え方もゆるい人ばかりではない!
たとえば、同じ【P】知覚型タイプでも、ESFP(エンターテイナー)とは大きな違いがあります。
INTPのように、行動は自由でも内面は自分に厳しいというタイプもいれば、ESFPのように「自由な行動に周囲も巻き込んでいく」というタイプもいるんですよ。
INTPが落ち込んだときのサイン

INTPが落ち込んだとき、どのようなサインを見せるのでしょうか。
INTPはもともと【I】内向型なので、感情が見えづらく他者からは「何を考えているかわからない」といわれるタイプ。
そのため、嬉しいときも悲しいときもなかなか表情ではわかりにくい性格タイプでもあります。
しかし、そんなミステリアスなINTPが落ち込んだときには、以下のようなサインを見せることがあります。
会話が極端に減る
INTPはもともと静かなタイプですが、落ち込むとさらに無言になる傾向があります。
会話が激減し、返事も簡潔になり、また表情も変わらなくなってきたら、頭の中に思考がこもっているサインかもしれません。
思考の深さゆえに、言葉にするまでに時間がかかるのです。
しかし、表情や態度には早めにあらわれることがありますので、周囲が気が付いてあげるのもINTPにとってありがたいことでしょう。

そういうのにいち早く気づけるのはESFJみたいなタイプ。
INTPちゃんがアウトプットできない感情面を、フォローして支えてあげたい!
SNSや連絡を遮断する
INTPは、落ち込んだとき連絡を未読無視したり、SNSの更新を停止したりと、外との接触を断って内面にこもる傾向があります。
誰かに話しかけられても返す気力がない、そもそも返すべきか悩みすぎて返せない…
そんな状況が起きがちで「心配されるのも面倒」と感じることも。
そのため、あえて周囲から気配を消そうとする行動に出るのです。

でもINTPちゃんって普段から連絡やSNS更新が多いタイプでもないから、気づきにくいかもね
全部どうでもよくなる
INTPが「もう全部どうでもいい」と言い出したとき、それは限界まで頭の中で思考を回し続け、感情と理論のバランスが崩れたサインかもしれません。
普段は論理的に物事を捉えようとするINTP。
しかし、心の奥では「今の自分に意味があるか」「自分の理想とする自分でいられているか」といった感情的な動機も抱えています。
それらが思考で処理しきれなくなったとき、INTPは自分の理論や理想にすら無力感を抱き「考えても仕方がない」「何をどうしても意味がない」と諦めの境地に入ることがあります。
これは単なる投げやりではなく、意味を失ったことへの深い喪失感の表れともいえるでしょう。

軽めに「もう全部どうでもいい~!」というニュアンスと違って、思考型のINTPがその「思考」をやめてしまうのは、けっこう深刻な状態かも…
INTPが落ち込んだときの回復法は?

INTPは、外から見えにくい形で静かに落ち込みます。
感情を直接表現するのが苦手なため、自分でも気づかないうちに心が疲れていた、ということも少なくありません。
そんなときに必要なのは、他人の助言や励ましよりも、自分のペースで思考を整理し直す時間です。
しかし考えすぎて感情が置き去りになることもあるので、自分を責めすぎず「今の自分」を認める視点を持つことで、回復がスムーズになるかもしれません。
具体的な回復方法について見ていきましょう。
1人になる時間を確保する
INTPが落ち込んだときには、まず「自分の世界」に戻る時間をしっかり確保しましょう。
INTPを構成する要素は【I】内向型【N】直観型【T】思考型【P】知覚型の4つ。
すべてにおいて、1人の時間で感情をリセットすることが必要な要素なのです。
そのため、1人の時間を確保することが、INTPの回復には欠かせません。
人と無理に話すより、静かな場所で思考を整理し、気持ちを立て直してみましょう。
外からの刺激が多すぎると、INTPは逆に疲れてしまうことがあります。
頭の中で論理的に整理する
INTPは感情の渦に飲まれると不安定になりがち。
そんなときは、それを論理的に見直すことで落ち着きを取り戻してみましょう。
論理的思考は、INTPの得意分野でもあります。
「自分はなぜ落ち込んでいるのか?」「何がきっかけだったのか?」
それらをノートや脳内に言語化してみると、気持ちを整理することができ、回復のきっかけになるでしょう。
自分の価値を見直す
INTPは【P】知覚型というマイペース要素を持ちながらも、【N】理想主義であるがゆえ、自分に対して厳しい視線を向けがち。
「できていない」「意味がない」と判断して落ち込んでしまったときは、自己嫌悪に陥った原因から少し目をそらしてみましょう。
そのかわり、INTPの強みである「思考力」や「誠実さ」など、自分の本質的な価値に目を向ける視点を持ってみてください。
結果だけで自分を評価しないことが、心のバランスを保つ鍵になりますよ。
INTPが落ち込んだとき効果的なサポートとは?

INTPが落ち込んでいるとき周囲ができることは「そっと見守ること」と「話したくなったら聴くこと」でしょう。
アドバイスではなく、ただ受け止めてくれる存在が近くにいるだけで、INTPの心は少しずつ整っていきます。
干渉せず、でも存在は消さない。
この絶妙な距離感こそが、INTPにとって安心できるサポートとなるでしょう。
適度な距離を置く
INTPが落ち込んでいるとき、元気づけようとして積極的に関わることが逆効果になることがあります。
INTPはもともと【I】内向型なので、1人になる時間が何よりも大切。
そして【N】直観型や【T】思考型の要素を持つため、じっくり考えて気持ちを整理するという行動が、立ち直る肝になるのです。
まずは1人になれる時間や空間を尊重し「いつでもそばにいるよ」くらいの距離感で見守るのが理想的でしょう。
思いを受け止める
INTPは、自分に対し厳しい基準を持っていることから、周囲に「今のままで大丈夫だよ」と言ってもらえることで、肩の力が抜けて自然に回復するでしょう。
INTPが悩みを口にしてきたら、それは本人にとってかなり勇気が必要な行動です。
そんなINTPにかけるのは前向きな言葉より、現状を受け入れてくれる一言のほうが、心に深く響くことがあります。
まずは否定せず、INTPの言葉や気持ちを受け止める姿勢が、心の支えになるでしょう。
INTPは普段から頭の中で延々と考え込み、あらゆる可能性や選択肢を自分の中で検証しています。
そのため、いざ話し出したときにはすでに相当な解決策を「自分の中で試してきた後」であることが多いのです。

思考型のINTPが自分でどうにもならなかったとき、誰かに悩みを打ち明けるんだね
アドバイスは不要なことが多い
INTPが悩みを話すことには大きな意味があるとお話しました。
つまり、この段階で外からアドバイスをされると「それはもう考えた」「でもそれでうまくいかなかった」と思ってしまい、逆に気持ちが閉じてしまうことがあるのです。
そのため、アドバイスよりもただ聴いてくれる存在を必要としていることが多いでしょう。
正解を求めているのではなく「一度このモヤモヤを誰かに聞いてもらえたら、また自分で考え直せる」というのがINTPの基本姿勢。
だからこそ、ただ黙ってうなずきながら聴いてくれるだけで、INTPは十分に心が軽くなるのです。

おっと!ENFJは相手を思ってアドバイスしがちだから、気をつけないと…!
まとめ|INTPは強くて弱くて優しいタイプ
INTPは一見冷静で自立したタイプに見えますが、内側では理想と現実の間で深く葛藤しています。
落ち込むこともあるけれど、それも知性と感性が豊かな証。
正解より、自分のペースを大切にすることで、また静かに立ち上がれるのがINTPの強さです。