MBTI診断で「INFP」と「INFJ」のどちらにも当てはまる気がして、モヤモヤした経験はありませんか?
実際にこの2タイプは、繊細で静かな優しいタイプで、理想主義といった共通点を多く持ちます。
柔和で低姿勢な雰囲気も似ているため、MBTI診断の中でも混乱しやすい組み合わせですよね。
しかし、INFPとINFJの違いを丁寧に見ていくと、思考の起点や行動の方向性がまったく異なることに気づきます。
今回は、両タイプを区別するための5つの視点を展開。
それぞれの性格傾向を解説しますので、自分がどちら寄りなのかを判断するヒントとしても活用いただけるでしょう。

INFPとINFJが間違われやすい理由

INFPとINFJは「I(内向型)」「N(直観型)」「F(感情)」という3文字が共通しています。
そのため、外見的な印象や内面的な価値観も似通って見えることが多いのですね。
どちらのタイプも感情が深く、想像力が豊かだという共通点があります。
初対面ではほとんど違いが見えず、自分自身でさえ「どっちなんだろう…?」と迷ってしまうことでしょう。
しかし、INFPは自分の内面の価値観を軸にしていて、INFJは未来や他人のためのビジョンを軸にして動いています。
このフォーカスの向きが、大きな違いを生み出しているのです。
INFPとINFJの違いをまとめてみた

では、INFPとINFJの違いをまとめてみましょう。
まず、MBTIのアルファベットを見てすぐにわかる違いは、INFPが【P】知覚型であることと、INFJが【J】判断型であることです。
一般的に【P】知覚型はマイペースで柔軟性があり、【J】判断型は計画的でしっかり者というイメージがありますね。
INFPとINFJにもその点で大きな違いがみられるものの、実はそれよりも深いところに根本的な別人要素が隠れていました。

では、もう少しだけINFPとINFJのタイプを掘り下げてみましょう!
INFPの主機能は「Fi(内向的感情)」です。
「内向的感情」とは、すべてにおいて自分がどう感じるかで決めようとする性格のこと。
対してINFJの主機能は「Ni(内向的直観)」です。
「内向的直観」とは、直観的にものごとがどうなるか推測する性格のことです。
この主機能が大きく違っていることで、INFPとINFJはまったくの別人ということになります。
これらをふまえて、INFPとINFJの細かな違いを見ていきましょう。
ここでは、INFPとINFJの違いがより明確にわかるように、INFPを黄色マーカーで、INFJを赤マーカーで解説していきます!
ものごとの考え方
INFPとINFJは、ものごとの考え方が根本的に違います。
INFPが自分自身の感情や価値観を大切にするのに対し、INFJは相手や社会全体を視野に入れる傾向があります。
INFPがものごとを判断する基準は、以下のようなものです。
- 自分がどう感じているか
- この選択は自分らしいか
頭の中で常に心の声がして、それを裏切らない選択をしようとする傾向があります。
一方でINFJは、自分の価値観は大切にしながらも
- 自分はこれを正しいと思うか
- この選択は常識的か
という視点を持っています。
自分の感情はしっかり持ちながら、それをより広いビジョンの中で調整しようとする思考回路を持っているのですね。
たとえば、INFPとINFJが日常や仕事の場面で「何かやりたくないこと」に出くわしたとき、こう考えるでしょう。
INFP:自分の気持ちに嘘をついてしまうから、これはやりたくない
INFJ:やりたくはないけど、これをすることで良い結果になるなら受け入れよう
内面重視のINFPと、目的重視のINFJ。
この差が、意思決定のあらゆる場面で表れてくるのです。
感情の扱い方と表現の仕方
INFPとINFJは、感情の扱い方と表現の仕方が違います。
INFPもINFJも同じ【F】感情型で、他者の感情に敏感であり思いやりのあるタイプという共通点があります。
しかしそんな2組でも、感情の扱い方や、それをどう表現するかが違います。
INFPは、感情を自分の中に深くしまい込むタイプ。
対してINFJは感情を冷静に扱いながらも、どう伝えるべきかを整理するタイプです。
INFPはより感情を大事に大事に扱い、簡単にはアウトプットしようとしないでしょう。

INFJよりもINFPのほうが、内向型要素が強いのかも…
そのため、悩みや困りごとを誰にも言わずに苦しんだり、言葉にするまでに時間がかかったりすることもあります。
では、INFJはどうでしょうか。
INFJも同様に、誰にでも感情を見せるわけではありません。
しかし「この思いは伝えた方が良いはず」と判断したときには、頑張って言語化しようとします。
感情を丁寧に取り扱うタイプといえるでしょう。

INFJは感情やストレスをため込みがちだけど「ここは言った方がいい」というときには頑張って言葉にします!
INFPの主機能が「Fi(内向的感情)」だとお話しましたが、INFJの副機能に「Fe(外向的感情)」というものがあります。

文字を読むとわかるように「INFP=内向」と「INFJ=外向」に分かれていますね!
INFPとINFJはどちらも【F】感情型ですが、その感情の向かう先が全く逆方向なんです。
INFPは常に自分のほうに向けて感情を表現するので、アウトプットには消極的。
対してINFJは外に向けて感情を表現するので、【I】内向型でありながらも感情を言語化しようと努力するタイプなんですね。
人との距離感のつかみ方
INFPとINFJは、人との距離感のつかみ方に違いがあります。
INFPの主機能が「Fi(内向的感情)」であり、INFJの副機能が「Fe(外向的感情)」であるとお話しました。
INFPは感情を自分のほうに向けて発信するので、外に相性が合わない人がいる場合には、近づこうとしません。
対してINFJは、合わない人とは関わりたくないと感じながらも、必要に応じて関わろうとするところがあります。

わたしは、一度拒否感を覚えた人とはちょっと関われないです…

私も嫌だけど、関係性によっては「仲良くしたほうが良いのかも…」と割り切るかな
INFPは少人数で深く付き合うことを好み、自分と似た価値観を持つ人に惹かれる傾向があります。
INFJは、相手の価値観が同じでも違っていても仲良くすることができるタイプ。
相手を軸に行動するため、相手に合わせて振る舞うことができるからです。
人の感情を読むのが得意で「合わせること」にも長けていますが、内心では疲れがちでしょう。
行動スタイル
INFPは「なんとなく良いな」「気分が乗るからやってみよう」というふうに、感覚に従った行動をとる傾向があります。
そのためやる気の波が激しく、周囲から見ると気まぐれに見えることも。
締め切りや強制力に弱く、自分のペースで進めたいタイプです。
INFJは、自分でやると決めたことや、やらなくてはいけないことに対し、どんなに疲れていてもやり遂げようとする使命感があります。
計画を立て、そこに向けて地道に努力を積み重ねる粘り強さを持っています。

このあたりは、INFPの【P】知覚型(マイペースな性格)と【J】判断型(計画的な性格)の違いが顕著に出ているね!
INFPとINFJで迷う人が感じること

「INFPって言われたけど、INFJの特徴にもすごく当てはまる気がする…」
「診断するたびにINFPとINFJが交互に出る」
そんな声は非常に多く、実際この2タイプで迷う人は少なくないですよね。
両者とも内向的で、理想主義的で、感受性が豊か。
人の気持ちを考えて行動するやさしさも似ています。
そのため、どっちの説明も“あるある”に感じられてしまうのです。
特に「相手の顔色を伺うタイプだけれど、自分の価値観も大事にしている」という感じ方をすると、どちらのタイプにも当てはまるように思えてしまいますよね。
この迷いの背景には「F(感情)」と「N(直観)」が共通しているという要素だけでなく、その中身であるFe(外向的感情)とFi(内向的感情)の差が見えづらいという点も影響しています。

MBTIのアルファベット4文字は表面からでも見えるけど、FeやFiなどの「認知機能」に差があることで、より細かな性格の違いがあらわれるよ
MBTIが、単なる4文字で表現できる性格よりもさらに奥深いことがわかりますね。
あなたはどっち?INFP or INFJチェックリスト

それでは、あなたがINFP寄りかINFJ寄りかを簡単にチェックしてみましょう。
以下の5つに当てはまるかどうか、考えてみてください。
- 人の気持ちに敏感だが、あくまで「自分がどう感じるか」が一番大事だ。
- やるべきことより、自分の感情を優先したくなる。
- 人から相談されたとき、相手に合わせるより自分の視点で考えて答える。
- スケジュールを決めるより流れに任せたい。
- イメージより、自分の価値観や夢物語を大切にしている。
YESが3つ以上あればINFP寄り、NOが3つ以上あればINFJ寄りでしょう。
INFPは自分の内側から価値観を見つめる理想主義者タイプで、INFJは調和やビジョンを重視する静かな導き手タイプです。

MBTI診断の質問ではいまいち結果がはっきりしない…という人は、このチェックリストでピンポイントな部分を診断してみよう!
迷いやすいINFPとINFJの相性は?

INFPとINFJは迷いやすい2タイプですが、両者の相性はどうなのでしょうか。
似た者同士に見えて、実はものごとの考え方や感情の扱い方、そして人との距離感までもが大きく違う2組。
そんなINFPとINFJの相性を、友達・恋人・同僚の3パターンで見てみましょう。
INFPとINFJが友達だったら?
INFPとINFJが友達になると、とても穏やかで心地よい関係が築けるでしょう。
どちらも内向型で静かな時間を好み、人の気持ちに寄り添える優しい性格。
そのため、言葉がなくても通じ合える関係で、深くつながりやすい組み合わせです。
一方で、関係が深まりにくい原因も存在するでしょう。
どちらも「相手を尊重したい」という思いから、遠慮しすぎて本音を言わない可能性があるからです。

なるほど、2人とも消極的すぎて距離が縮まらない可能性が…!
また、INFJは相手を導こうとしやすく、INFPは自分の感情を優先したいタイプなので、INFJからINFPへのアドバイスがプレッシャーになることもあるかもしれません。
このペアがうまくいくコツは、お互いのペースを尊重すること。
自然体のまま、お互い静かに寄り添える関係を目指すと、深い友情に育つでしょう。
INFPとINFJが恋人だったら?
INFPとINFJの恋愛は、感情と理想が重なり合う、深く誠実な関係になりやすいでしょう。
どちらも一途で思いやりがあり、ただ一緒にいるだけで安心できる相性であることが特徴です。
互いに価値観や人生観を共有しながら、ゆっくりと関係を深めていくスタイルが合いますよ。
ただし、問題が起きたときにはすれ違いもあるでしょう。
INFJは、良かれと思って相手に注意やアドバイスをしたりしますが、INFPはそれを「干渉されている」と感じることがあります。
逆にINFPが黙り込んでしまうと、INFJは「何を考えているのか分からない」と不安になることもあるかもしれません。
この関係がうまくいくためには、勇気を出して言葉にすることがカギです。
自分の気持ちを押しつけるのではなく、相手の感じ方を尊重しながら、丁寧に歩み寄ってみましょう。
INFPとINFJが同僚だったら?
職場でINFPとINFJがペアを組んだら、高い成果を上げるチームになるでしょう。
どちらも感受性が高く、仕事へのやりがいを見出すタイプなので、同じ目標に向かって手を取り合うことのできる2人です。
ただし、仕事スタイルには違いもあります。
INFJは計画的である一方、INFPはひらめきや気分に従って動くことが多くあります。
そのため計画的なINFJがマイペースなINFPをストレスに感じたり、INFPがINFJのことを「細かい性格だ」と感じたりすることがあるでしょう。
また、どちらも自己主張が控えめで衝突を避ける傾向があるため、意思疎通が不十分になる可能性も。
このペアがうまくいくには、相手のペースを受け入れながら、少しずつでも気持ちを言葉にすることが大切です。
本音で語り合えれば、お互いを信頼できる相手として認識できるかもしれません。
INFPとINFJは内面が深い組み合わせなので、心から支え合える信頼性の高い関係になれるでしょう。
まとめ
INFPとINFJは、表面的にはとてもよく似ています。
穏やかで、人の気持ちに敏感で、自分の世界観を大切にしているところなどは、一見似た者同士でしょう。
しかしその内面を覗いてみると、INFPは「自分の心の声に忠実」であり、INFJは「まわりを見て動いている」ことがわかりましたね。
似ているけど違う。
でもその違いがあるからこそ、お互いの魅力が際立ちます。
「私はどっちなんだろう?」と迷ったとき、この記事がその答えに近づく一歩になれば幸いです。