ENTJ(指揮官型)は、MBTIの中でも最もリーダーシップがあり、戦略的で目標志向の強いタイプといわれています。
ビジネスでは華々しい成功を収める一方で、恋愛や結婚になると欠点が目立つという意見も。
「結婚できない」「パートナーと長続きしない」と言われたことのあるENTJの人も、いるのではないでしょうか。
実はその背景に、ENTJ特有の完璧主義や支配欲、そして独特の思考スタイルがありました。
この記事では、ENTJが結婚できないといわれる理由とその心理的メカニズムをわかりやすく解説。
ENTJと相性の良いパートナー像や、結婚をうまくいかせるための実践的なヒントをご紹介します。

ENTJが「結婚できない」と言われる理由

ENTJが結婚できないといわれているのは、恋愛感情よりも人生設計を優先するからというのが大きな理由でしょう。
ENTJの性格上、愛をロマンチックに語るよりも、パートナーとの関係に将来性があるか、お互いが成長できるかという視点を大切にします。
その結果、感情やロマンス的な意味合いを大事にするパートナーにとっては冷たく映りやすく、恋愛が続かないことがあるようです。
では、具体的にENTJが結婚できないといわれる理由を掘り下げてみましょう。
理想が高く妥協できない
ENTJは、自分にも他人にも厳しいタイプ。
常にものごとの最適解を求め、高い理想を掲げて生きています。
そのため、結婚相手にも高い基準を設定することがあるでしょう。
たとえば、結婚相手には「尊敬できる人」「知的な人」「自立している人」「目的を共有できる人」などなど、なかなかクリアできない基準を設けてしまいがち。

ぴったり条件にはまる人が周囲にいない中、ENTJ本人は自分が掲げる条件でないと納得できないため、結婚はおろか恋愛をスタートさせるところからハードルが高いかもしれません。
恋愛初期から、まるで「採点表」のように相手を分析してしまうクセがあり、少しでもデメリットを感じると、すぐに冷めてしまうのです。

あまりに軽い感覚で恋愛するのもデメリットがあるけど、ここまで厳格だとスタートも切れないよね💦
感情表現が苦手で誤解されやすい
ENTJは、理論的に話すのが得意なタイプです。
その反面、感情を言葉で伝えるのが苦手な傾向も。
恋愛相手に「好き」とストレートに言うよりも、記念日にディナーを予約したり、好きなスイーツをおみやげで買って行ったり、行動で示すタイプです。

もちろんその愛情表現も素敵なのですが、相手がF(感情型)だった場合、なかなか思うように伝わらないことがあるかもしれません。
F(感情型)は言葉やコミュニケーションで愛情を伝え合いたいタイプなので、ENTJ独特の愛情表現を冷たく感じやすいでしょう。
ENTJ的には誠実に努力しているのに、なかなか本心が伝わらないのはもどかしいですよね。
そのすれ違いが、結婚を遠ざけてしまう一因になります。
キャリアを最優先してしまう
ENTJにとって、仕事は自己実現の舞台です。
若いうちは特に、恋愛よりも目標達成を優先する人も多いでしょう。
「今は結婚どころではない」「キャリアを築いたら結婚を考える」と判断するENTJもいます。
その結果、婚期を逃したり、パートナーが疎外感を抱いたり、破局につながったりすることも。
こうして、ENTJからは徐々に結婚はが遠のき、結婚できないという極端な印象を強めてしまうのです。
ENTJが結婚に求めるものとは

ENTJは情熱的で行動力がありますが、それは恋愛や結婚に対するものではありません。
ENTJはあくまで、自分の目標や将来、キャリアのほうに重きを置きたいタイプであり、情熱や意欲のほとんどをそちらにつぎ込むでしょう。
ENTJにとって恋愛や結婚は、感情でするものではありません。
同じ目標やビジョンを持った者同士、人生の共同プロジェクトとして考えています。
つまり、愛だけでなく将来の目標、価値観、未来設計の一致という部分を重視するのです。

でも、結婚ってたしかに愛だけじゃ難しいから、ENTJの考え方は理にかなっているのかも
パートナーを同志と考える
ENTJは、恋愛や結婚においても「尊敬できる人」に強く惹かれます。
恋人というよりも、ビジョンを共有し、ともに挑戦できる仲間、有志、同志であることを求めるのです。
そのため、依存的な関係や感情の揺れに振り回される関係は、ENTJにとって前向きなものではありません。
お互いが自立し、1人でも生きていけるところを「タッグを組みましょう」と契約する関係こそ、ENTJが安心できる土台なのです。

ともに成長できる関係を求める
ENTJは、常に進化を目指している性格タイプです。
現状維持に満足せず、結婚相手にも一緒に学び続ける姿勢や、人生を更新していく意欲などを求めるでしょう。
お互いに刺激を与え合い、精神的にも知的にも成長できる関係が、ENTJにとっての理想的な結婚です。
しかし、このように高い目標を持って結婚を夢見る人は、そう多くはないでしょう。
たとえば結婚情報誌ゼクシィの調査では、一般的に結婚相手に求める条件として
というものが挙げられていました。

うんうん、一般的な夢の結婚って感じがするね
ENTJが求める結婚には、それよりも高い理想が含まれるため、なかなか結婚に到達しないのかもしれませんね。
安定よりも発展を重視する
一般的な結婚というのは、上記ゼクシィの調査のように「安心」や「価値観」を重視するのに対し、ENTJにとっては「生活を発展させること」も重要な要素です。
結婚生活においては、変化のない平穏な日常よりも、新しい挑戦ができる関係を望むのです。
このような理想は、ENTJの夢である刺激的な結婚を築く力にもなりますが、相手を選ぶことにもなりそうです。
安定を求める相手にとっては、そのような価値観が難しく感じられることがあるでしょう。
ENTJの結婚相手としての向き不向き

ENTJはカリスマ性があって、個性が強いタイプです。
そのため、相手の性格次第で、結婚生活が天国にも地獄にもなると考えられます。
以下の表は、ENTJとの相性をMBTI別に整理したものです。
| 相性 | MBTIタイプ | 関係性の特徴 |
|---|---|---|
| 良い | INFJ, INTJ, ENFP | ENTJの理想や目的を理解し、 精神的に支える |
| 普通 | ISTJ, ENTJ, ESTJ | 同じく論理的で堅実だが、 衝突も多くなりやすい |
| 難しい | INFP, ISFP, ESFP | 感情表現を重視するため、 ENTJの冷静さに不満を抱きやすい |
具体的に、MBTIを掘り下げて向き不向きについて見てみましょう。
感情型(F)とのギャップ
ENTJは思考型(T)なので、感情型(F)の相手と結婚観においてすり合わせるのが難しいでしょう。
感情型(F)の相手は、自分や相手の気持ちを第一に考えるので「気持ちをわかってほしい」と望む傾向があります。
それに対し、ENTJは「どうやって解決するか」「今後の展望は?」と、ロジックを組み立て実務的に答えようとしてしまうでしょう。
その結果、温度差が生まれやすくなります。

確かに結婚って恋愛とは違うから、感情論ではどうにもできないかもしれないけど、ENTJの対応は冷たく感じられてしまうのかもね…

結婚は生き方と価値観のすり合わせだから、ここが合わないと難しいかもね
似たタイプと衝突の可能性
ENTJは合理主義で、感情型(F)とは考え方のすれ違いが起こりやすいというお話をしました。
しかし、仮に似たMBTIタイプが相手だったとしても、それはそれで衝突の可能性があるのです。
たとえば、同じENTJやESTJなど、リーダー気質同士の組み合わせで結婚するとしましょう。
ロジカルな人間性は共通していて、冷静に話ができるカップルになれますが、お互いが主導権を取りたがる可能性があります。

考え方自体が共通していても、向いている将来が少しでもズレてしまうと、お互いが譲り合わないかもしれません。

結婚となるとやっぱり、ゆくゆくはマイホーム建築や子どもの習いごと…
妥協し合って考えなきゃいけないイベントがたくさんあるね
こういうときには、ENTJの相手が感情型(F)だとスムーズに話し合える可能性がありますが、すべてにおいて相性がぴったり合う相手というのもなかなかいないですよね。
ENTJが似たタイプと結婚する場合、目標が一致すれば最強のパートナー夫婦になれる可能性もありますよ。
相性が良いMBTIは何が違う?
ENTJの結婚相手として相性がよいのは、INFJやENFPです。
これらのタイプは、ENTJの将来や仕事に対する情熱を受け止めつつ、感情的な部分を柔らかく支えられる人物。
ENTJの強さにバランスをもたらし、感情面で安定します。
論理と共感が補い合う、理想的な組み合わせと言えるでしょう。

特にINFJは感情型(F)だけど、ENTJの野望やビジョンに対する理解度が高いから、相性もアップかも♡
ENTJが結婚をうまく進めるためのポイント

ENTJが結婚できないといわれているのは、相手ではなく自分の完璧主義が理由であることが多いでしょう。
結婚を成功させるには、柔軟さと感情表現を意識的に取り入れることが重要です。
ENTJが幸せな結婚をするために、気をつけられるポイントを見てみましょう。
弱さを見せる勇気を持つ
ENTJは、リーダーシップとカリスマ性にあふれているため「常に強くありたい」という気持ちが強いタイプ。
しかし、完璧であろうとするほど、パートナーは距離を感じるでしょう
弱音を吐いたり失敗を共有したりすることは、夫婦として信頼関係を深めるために大切なことです。
常に完璧でいるよりも、結婚する相手には「人間味を見せる」というほうが、結果として愛されやすくなりますよ。

結婚は仕事ではないからね

そこなんですよね~
結婚と仕事を完全に分けられないからこそ、どちらに対しても完璧でありたいと思っちゃうのかも
相手の気持ちに寄り添う
ENTJは結婚や人間関係においても、自分が掲げる正しさを重視します。
そのため、感情的な言い合いを「無駄だ」と感じやすいでしょう。
しかし、恋愛関係から結婚に発展すれば、感情のやりとりはありますよね。
そして、相手の感情は必ずしも理屈で整わないものです。

論破するよりも、相手の気持ちに寄り添い共感することを意識してみてください。
確かに結婚は感情だけで成り立つものではありませんが、だからといって感情抜きでも成立しません。
お互いに寄り添い合うことで、夫婦関係のバランスが保たれるでしょう。
支配欲を手放す
ENTJはもともとがリーダーシップの強い性格タイプで、自分がかかわるすべての環境や状況を、自分のやり方でコントロールしたいと思っています。
常に状況を掌握し、なにかあったときに自分が出ていけるようスタンバっておきたい、そんな頼もしさがあります。

しかし結婚となると、どちらかがどちらかの状況を把握する「支配」ではなく、双方が歩み寄る「チーム」です。
常に自分が相手をコントロールするという思考を改め、相手のやり方を尊重したり、相手の意見やビジョンを聞いたりするようにしてみましょう。
それで、ENTJのリーダーシップがなくなるわけではありません。
相手を尊重するというリーダーシップが加わることで、ENTJの人間性はより成熟したものになるでしょう。
結婚できないといわれるENTJが学ぶべきこと

結婚相手はときに「自分を映す鏡のような存在」といわれることがあります。
夫婦は合わせ鏡ともいい、恋愛や結婚を通して自分の理想や人との向き合い方、感情の扱い方を学べるのです。
もしあなたがENTJで、周囲から「結婚できない」といわれていたり、ご自身でもそう感じるのであれば…
以下の条件を見直してみてはいかがでしょうか。
完璧より誠実さを選ぶ
ENTJは性格上、常に高みを目指します。
しかし、結婚生活は「勝負」ではありません。
なにごとも正しいほうが良いにしても、結婚生活となると、ときには正解よりも誠実さを選ぶことが、相手との信頼関係につながることがあるのです。
そのためには、常に正しいことを主張するのではなく、小さな妥協を繰り返して、大きな安定が還元されるような関係を築きましょう。
相手の視点を学ぶ
ENTJは、自分の将来性や思考力に絶対的な自信を持っています。
自分の価値観を強く持つため、周囲の意見を受け入れづらい傾向があります。
しかし、結婚はお互いに平等な立場を維持し、ともに人生を歩んでいくもの。
相手の見方や視点を理解しようとすることで、視野が広がり、ひいては夫婦以外の人間関係全体に、良い影響がみられるでしょう。
相手と一緒に歩む意識を持つ
ENTJの強さは、相手を支配するためでなく、導くためにこそ発揮されるべきです。
パートナーを信頼し、成長を後押しするリーダーシップを積極的に出していきましょう。
ENTJの将来設計や確かな思考力、計画性、どれを取っても、結婚生活で活かせる強みばかりですよね。
それを、相手へのコントロール欲として発揮するのではなく、一緒に歩み健全な道へ導くために活かしていきましょう。
それが、ENTJが結婚で成功する最大のポイントとなるでしょう。
まとめ
ENTJが「結婚できない」と言われるのは、理想の高さと合理的思考が裏目に出るからです。
しかし、その本質はどんなときも真剣であるということ。
相手を対等なパートナーとして尊重し、寄り添うことができれば、ENTJほど頼もしい結婚相手はいません。
完璧より共感を、支配より信頼。
それが、ENTJが幸せな結婚を掴むための道です。

















