INTPと聞くと、柔軟やマイペース、締切にルーズなど、いかにもP(知覚型)らしい印象を持つ人も多いでしょう。
けれど実際には、INTPの中には完璧主義な一面を持つ人もいます。
「Pなのに完璧主義って矛盾してない?」と思いますよね。
今回は、INTPが完璧主義になりやすい理由や心理的背景をMBTIの視点から深掘りしたいと思います!

INTPの基本的な性格をおさらい

まずは、INTPがどういう性格をしているのか見てみましょう。
INTP(内向・直観・思考・知覚)は、論理的で独創的。
好奇心が強く、物事を深く考えたいタイプです。
頭の中で理論を構築することを好み、結論よりも「探究・思考のプロセス」を楽しみます。
一見ラフで柔軟に見えますが、内面に理想の完成図を持っていることが多いのが特徴です。
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INTPはなぜPタイプなのに完璧主義?

INTPはP(知覚型)であるにもかかわらず、完璧主義な一面があります。
特に「締切に追われがちなのに妥協できない完璧主義者」という矛盾した一面が、大きな特徴でしょう。
INTPが完璧主義になりやすい理由は、主に以下の3点です。
- 主機能のTi(内向的思考)がはたらくから
- 副機能Ne(外向的直観)がはたらくから
- 劣等機能Fe(外向的感情)がはたらくから
- INTPは完成より納得を求めるから
INTPの不思議な性質のカギを握っているのが、認知機能の組み合わせ。
認知機能のそれぞれが、異なるかたちで完璧主義に影響しているようです。
それでは、どのような認知機能が影響しているのか見てみましょう。
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主機能のTi(内向的思考)がはたらくから
Ti(内向的思考)は、自分の中にある理論・論理・構造の整合性を何よりも大切にする認知機能です。
INTPにとってものごとの正しさや完成度は、外の評価で決まるのではなく、自分の中で納得できるかどうかにかかっています。
つまり、INTPにはこういう特徴があるのです。
INTPがいかにこだわる性質で、完璧主義なのか分かりますね。
Ti(内向的思考)は言葉の通り「内側に向いた思考」なので、周囲の納期や締切とは噛み合いにくい傾向があります。
結果として
「自分で納得しないといつまでも仕上がらない人」
「完璧主義すぎて提出するのが遅い」
と見られてしまうこともあります。
副機能のNe(外向的直観)がはたらくから
Ne(外向的直観)は、可能性やアイデアの広がりを重視する認知機能です。
INTPはNe(外向的直観)を副機能に持つため、常に新しい可能性を模索する傾向があります。
「もっと面白いアイデアがあるのでは?」
「この視点を加えてみたら良くなるかも」
と、無限の可能性を考えては思考が止まらないのです。
このNe(外向的直観)が完璧主義に影響するのは、以下のような点です。
結果として、自分の理想にたどり着くまで、試行錯誤を止められなくなります。
Ne(外向的直観)によって、もっといい完成形を追い求めすぎることが、INTPの完璧主義に拍車をかけてしまっているのですね。
劣等機能のFe(外向的感情)がはたらくから
Fe(外向的感情)は、人との調和や共感、対人関係を重視する認知機能です。
INTPにとってこれは劣等機能であり、普段は意識されにくいけれど、ストレスや緊張時に強く反応しやすいのが特徴。
このFe(外向的感情)の影響で、INTPは以下のような心理を抱えることがあります。
このように、INTPは意外にも他者からの評価に敏感であることが分かります。
この特徴が、INTPに「失敗できない」「納得してもらいたい」「評価されたい」と思わせます。
結果として、こだわりすぎる=完璧主義に変わってしまうのです。
INTPは完成より納得を求めるから
INTPは完璧主義である一面がありますが、厳密にいうとINTPが追い求めるのは「完成させること」ではありません。
形として完成するよりも、INTPが自分の中で「完全に納得できていること」が美徳なのです。

世間的に正解とされることよりも、いかに自分の中で納得できるかが基準です
この「納得重視」の姿勢こそが、INTPの深い洞察力と革新的なアイデアの源でもあるのです。
P(知覚型)がルーズとは限らない

MBTIにおける「P(知覚型)」は、柔軟に対応する力を意味します。
しかし、それが必ずしもだらしない性格や「何でもOK」という性格を意味するのではありません。
「Pタイプはマイペース」という解説は、Pタイプ全体を過度に単純化した誤解と言えるでしょう。
特にINTPは、内向的直観(Ti)を主機能に持つため、内側で緻密な論理や構造を築いています。
そのため、INTPはP(知覚型)でも、以下のような特徴を同時に持ち合わせているのです。
これらの特性から、INTPは「こだわり型の完璧主義者」になりやすいのですね。
P(知覚型)の本質は「選択の余地を残すこと」
P(知覚型)の人は、常に可能性を開いたままにしておきたいという価値観を持っています。
可能性を開いたままにすることによって、状況に応じてベストを選べるというメリットがあるからです。
これは、以下の心理の表れと考えられます。
という心理の表れであり、決して「だらしない」からではないのです。
例えばINTPは、論理的な整合性や納得感に強くこだわるため、計画を途中で変えることもあります。
それはルーズだからではなく、より正しい方法を見つけたから修正したという行動なのですね。
締切が苦手=準備不足とは限らない
「P型は締切に弱い」という印象がよくありますが、これも一面的な見方でしょう。
P型の人は、ある程度切羽詰まった状態のほうが集中できるという特徴があったり、ギリギリまで待って最適な判断をしたいと考えることがあります。
そのため、早めに仕上げるより質を高めたいという傾向があるのです。
つまり、行動が遅いように見えても、実は頭の中では何度も試行錯誤を繰り返している努力型なのですうね。
特にINTPのような内向的思考型は、外からは動きが見えにくいですよね。
しかし、内面では高密度な検討を重ねていることが多いのです。
J型とP型の違いは「意志決定のプロセス」
J(判断型)が「先に枠を決めてから中身を埋める」タイプなら、P(知覚型)は「全体の中身が固まってきてから自然と枠が決まる」タイプでしょう。
J(判断型)は、整理された段取りを重視します。
それに対しP型は、完成までの余白や柔軟な変更をおおらかに許容します。
よって、P(知覚型)が完璧主義に見えるとき、それはギリギリまで質にこだわった結果であることが多いでしょう。
P型の本質は、自由であることと、最良を見極めることにあります。
INTPに見られるような完璧主義も、そこに根ざしているのですね。
「P型なのに完璧主義?」
と不思議に思う人も多いかもしれませんが、それはむしろP型だからこそ。
自分の納得を追求しすぎて妥協できないという、奥深い性格の現れともいえるでしょう。
INTPの完璧主義とうまく付き合うには?

INTPの完璧主義は、長所でもあり短所でもあります。
以下のような意識を持つことで、過度なストレスを避けることができるかもしれません。
特に、INTPは心の納得が行動のカギなので、自分なりの基準を一度「客観化」することが有効でしょう。
まとめ
INTPが完璧主義に見えるのは、P型であるにもかかわらず内面に強い論理と理想を抱えているからです。
ただそれは頑固や偏屈というよりも、深くものごとを考え抜く真剣さの表れとも言えるでしょう。
完璧主義な自分を責めるより、そのこだわりが活きる場面で力を発揮できるよう工夫してみましょう。
そうすることが、INTPにとっての成長ポイントとなります!