INTPとISTPは、MBTIタイプの中でも「違いがわかりにくい」と感じられがちな組み合わせですよね。
どちらも内向的でクールな印象を与えるため、診断結果が行き来する人もいるのではないでしょうか。
しかしそんなINTPとISTP、見た目は似ていても、中身はまったく異なるタイプ。
思考の起点も行動パターンも根本的に違うんです!
この記事では、そんなINTPとISTPの違いを、思考スタイル・人間関係・仕事など複数の視点から丁寧に解説していきます。

INTPとISTPはなぜ混同されやすいのか?

INTPとISTPが混同されやすい理由についてまとめてみます。
INTPとISTPは、MBTIのアルファベットが1文字しか違わないため、基本的には似た者同士のように見えます。
しかし【N】直観型と【S】感覚型という点が違うだけで、性格が対照的になることがあります。
INTPとISTPの違いをより読みやすくするため、INTPについては青マーカーで、ISTPについては黄色マーカーで解説していきます!
どちらも内向的で論理的な性格
INTPとISTPはどちらも「I(内向型)」と「T(思考型)」を持っており、自分の内側でじっくりと考えるタイプです。
表情が淡々としていたり、あまり感情を表に出さなかったりと、静かで理屈っぽい印象を持たれがちでしょう。
この「感情より論理を優先する姿勢」が、INTPとISTPを似ているように見せています。


感情より思考を重視
INTPもISTPも、物事を判断する際に感情よりも「理屈」や「構造的な正しさ」を優先します。
相手に共感するよりも、論理的な整合性のある説明を重視するため、冷静沈着で距離を感じさせるかもしれません。
そのため周囲からは「無愛想な人」「何を考えているかわからない」と思われがちです。
人と群れないマイペース
INTPとISTPはどちらも群れるのが苦手で、自分のペースや時間を大切にします。
大人数の集まりでは静かにしていたり、自由時間がないと息苦しくなったりすることもあるでしょう。
1人の時間を大切にしたい、人と群れないライフスタイルにも共通点が感じられますね。
INTPとISTPの決定的な違いとは?

では、何がこの2タイプを本質的に分けるのかというと
ものごとの捉え方と処理の仕方
にあると考えられます。
INTPは理論派|ISTPは現実派
INTPは「N(直観)」タイプで、頭の中に浮かぶアイデアや概念、理論に関心を持ちます。
「抽象的な意味」や「ものごとの本質」「規則性」などを見つけ出すことを好み、ひたすら思考を巡らせるタイプでしょう。
それに対してISTPは「S(感覚)」タイプで、目に見える情報や実際の体験に価値を感じます。
「とりあえずやってみて判断する」実践的な思考スタイルを持ち、頭よりも身体で覚えるタイプと言えるでしょう。

考えるのは得意で、1日じゅう物思いにふけることができるけど、行動力はあまりないかも…

私は逆にじっとしているのが苦痛だから、考える前に自分のペースで動き出しちゃうわね
INTPは思考派|ISTPは行動派
INTPは特定のテーマを深く掘り下げ、長時間でも思考に没頭する“頭脳特化型”。

いわゆる「オタク」タイプです!
ただし、考えすぎてなかなか行動に移せないことも多く「思いついても動かない人」とい思われることもあるかもしれません。
一方のISTPは「これで行こう!」と判断したら即行動に移す“実行特化型”。
一度経験すれば理解できるという実践力があり、行動→改善→実行という流れを自然にこなせます。

説明書は一切読まず、とりあえず触ってみるタイプよ
INTPは抽象的|ISTPは具体的
INTPの行動は抽象的で、どこかふわっとしたイメージがあります。
対してISTPの行動は常に具体性があり、誰が見てもはっきりと分かります。
…という話自体がとても抽象的でわかりにくいので「朝大好きなコーヒーを淹れる」という行動を例にしてみましょう。
INTPはコーヒーを選ぶ際からとことんこだわり「コーヒーの文化」や「歴史」「焙煎度の違いによる味の変化」といった部分に着目しながら、豆を選ぶでしょう。
そしてコーヒーの美味しい淹れ方をリサーチし、コーヒー豆を栽培している国の淹れ方を真似してみたり、コーヒーの本を読みながら飲んだりするのが醍醐味と感じます。
一方のISTPは、大好きなコーヒーを美味しく淹れるために「どのコーヒーマシンを使うか」「どのくらいの温度で淹れるのがベストか」を、実際に試しながら淹れることを楽しみます。
INTPは美味しい淹れ方を徹底リサーチし、ISTPは調べず自分で実践していくのですね。

もし2人がカフェで働いていたら、INTPはメニュー開発、ISTPはバリスタって感じだね!
INTPはおしゃべりオタク|ISTPは寡黙な職人
INTPは、会話の中でアイデアを広げるのが大好き。
内向的な性格ながらも、議論や言葉遊びに楽しさを見出す知能派です。
典型的なオタクタイプで、趣味が合う人とはおしゃべりが止まらない傾向も。
一方、ISTPは必要なことを必要なときに話すタイプ。
無駄な会話や感情的なやりとりには興味を持たず、実用的な話題が中心になるでしょう。

LINEの返信なんかも超絶シンプルだから、時々「怒ってる?」なんて聞かれることもあるわ…
INTPとISTPはどちらも【I】内向型なので、人との距離を大切にし、無理に近づこうとしないクールさを持っています。
ただし、INTPは「共通の考え方」を持つ人に興味を持ち、ISTPは「一緒に行動できる人」との相性が良いでしょう。
そのため、INTPのほうが若干、相手に期待を寄せる傾向が高いようです。
INTPは相手との会話や思考の共有を大切にするため「自分の考えを理解してくれる人」に興味を持ちます。
一方のISTPは、思いが通じ合うことは特に求めていないため、より自立していて他人に期待を持たない傾向にあるでしょう。
INTPとISTPに向いている仕事環境は?

INTPとISTPに向いている仕事環境について見てみましょう。
INTPとISTPにおいてもっとも対照的な性格は、仕事面であらわれやすいと考えられます。
INTPとISTPの違いは、それぞれに向いている仕事や作業内容に大きく影響するからです。
仕事環境の違いを見れば、これまで「自分がINTPなのかISTPなのかわからない…」と悩んでいた人も、キャリアを形成するヒントになるかもしれません!
INTPは理論や仮説を扱う仕事向き
INTPは、頭の中で複雑な情報を整理するのが得意。
研究・分析・企画など「考える仕事」に向いています。
ルールや枠に縛られない自由な発想環境の中で、じっくり探究できる職場が理想的でしょう。
INTPが本領発揮できる職業を見てみましょう。
向いている職業 | 職業の特徴 | 必要な資格 | 向いている理由 |
---|---|---|---|
データサイエンティスト | データ分析・予測モデル構築 | 統計検定、Pythonスキルなど | 複雑な情報を抽象化し、構造的に考えるのが得意 |
研究職(理系) | 新しい理論や実験の探究 | 修士・博士号など | 独自の仮説を立て、深く考える思考力に強みがある |
哲学・論理学講師 | 抽象的な思考と説明が中心 | 大学教員資格など | 抽象的・体系的な思考を言語化する能力に優れる |
プロダクトプランナー | 商品企画やサービス構想を考える | 特に不要(経験重視) | アイデア創出と仕組み設計において高い創造力を発揮 |
UXデザイナー | ユーザー体験の設計・改善 | デザインツールスキル | システムや人間行動の背後にある論理を分析できる |
ISTPは手や体を使う現場型の仕事向き
ISTPは道具を使ったり動かしてみたりする、五感や身体を使う仕事で強みを発揮します。
エンジニア、整備士、職人など、実地でのスキルが必要とされる分野と相性が良いでしょう。
では、ISTPに向いている仕事を見てみましょう。
向いている職業 | 職業の特徴 | 必要な資格 | 向いている理由 |
---|---|---|---|
自動車整備士 | 車の診断・修理・分解組立 | 自動車整備士国家資格 | 手先の器用さと実地対応力を活かせる |
電気・機械系エンジニア | 機械や電気設備の開発・保守 | 技術士、電気工事士など | 実物を扱う高度な作業とトラブル対応に向いている |
外科医・手術助手 | 手先の繊細さが求められる医療行為 | 医師免許 | 手先の器用さと即時的な判断力が求められる現場向き |
パイロット | 機械制御・緊急対応力が必要な職 | 操縦士免許など | 高速判断と安定したメンタルで即時対応できる |
映像・撮影技術スタッフ | カメラや機材操作、現場セッティング | 専門スクール、経験 | 精密機器操作と空間把握能力に優れている |
どちらも単独行動派だが得意分野は真逆
INTPもISTPも、誰かと常に行動を共にするより、自分のペースで進められる環境を好みます。
ただしINTPは頭で考える仕事、ISTPは手を動かす仕事というふうに、アウトプットの形式がまったく異なることがわかりますね。
まとめ|INTPとISTPは同じ“思考派”でも正反対
INTPとISTPはどちらも感情に振り回されないクールなタイプ。
けれどその本質は、空想と直観に生きるINTPと、現実を手で動かすISTPという“脳の使い方の違い”にあるようです。
似ているようで全然違う2人ですが、お互いを理解しタッグを組めば、より深くつながれる関係になるでしょう。